私たちの生活と切っても切り離せないスマートフォン。
子育て中の人にとっても便利なアイテムですが…
【子育て中の人(子ども2歳)】
「だらだら見たりするのは良くないかな」
【子育て中の人(子ども1歳)】
「ずっと動画見せていたら発達的に大丈夫なのかなとか思いますけど、その場しのぎが勝っちゃいます」
「スマホ育児」に後ろめたさを感じている人も多いようです。
しかし、アメリカでも話題になった研究があります。
今年1月、大阪大学などの研究グループが、スマホ育児による「子どもの発達への悪影響は限定的」とする研究結果を発表しました。
【大阪大学大学院連合小児発達学研究科・土屋賢治特任教授】
「2歳のスクリーンタイム(=スマホなどを見る時間)が長いと、4歳時の日常生活機能に少し悪いけど、『ごめんなさい』っていう気持ちが湧くかや挨拶できるかの『社会性』に関しては(スマホ育児は)影響が全くないことが分かりました。なんでもかんでも悪い影響が出るわけじゃない」
研究によると、2歳までの「スクリーンタイム」が長い場合でも、あいさつなどの「社会機能」は低下しませんでした。
一方、「コミュニケーション能力」や片づけをするなどの「日常生活機能」はやや低下するものの、影響は限定的だといいます。
さらに、低下した機能についても改善策が見つかったというのです。
【大阪大学院連合小児発達学研究科・土屋賢治特任教授】
「その悪い影響の一部分に関しては、外遊びをすることによってその悪い影響をなくすことができるかもしれない」
土屋特任教授によると、「外遊び」を1日30分、週に6日すると、「日常生活機能」への悪影響が大幅に軽減するということです。
【土屋特任教授】
「『スクリーンタイムが長いのが悪い』という単純な話は待った方がいい。『スマホ育児やめろ』という目線をむけるという状況に一石を投じたい」
大阪大学や浜松医科大学のチームの研究は「2歳時にスマートフォンを1日1時間以上見ると4歳児にどのような影響がでるか」を調べました。
調査結果は以下の通りです。
▼あいさつや謝るなどの「社会機能」は影響なし
▼自分の意見が言えるなどの「コミュニケーション機能」はやや低下
▼お片づけなどの「日常生活機能」はやや低下
一方で、2歳8カ月の時に1日30分程度の外遊びを週6日以上した子どもは・・・
▼「コミュニケーション機能」は2歳時と大きく変化はなく「やや低下」のまま
▼「日常生活機能」は大幅に軽減
今回の実験では、太陽を浴びたからよかったのか、また室内で遊んだ場合でも同じような結果になるのかについてはわかっていないということです。
大阪大学の土屋特任教授は、「『スマホ育児』というネガティブワードの見直しが必要」だと話しました。
皆さんは、スマホ育児をどう考えますか?
(関西テレビ「報道ランナー」 2023年3月1日放送)