ディーゼルで発電する「ハイブリッド」特急 いよいよ関西にも登場 スムーズな乗り心地に「これがディーゼル?」 一足先に名古屋発のハイブリッド特急で高山へ 飛騨牛の寿司も堪能の記者リポート 2023年02月27日
3月18日のダイヤ改正で、大阪駅に「ハイブリッド特急」がやって来ます。JR東海の最新車両で、名古屋~高山を結ぶ「特急ひだ」に使われていますが、関西ではまだ乗ることができません。
一体どんな特急列車なのでしょう?一足早く記者が乗ってみました。
■ハイブリッド特急 京都で初公開 子どもたちも夢中に!
京都鉄道博物館に、最新技術を詰め込んだ、「ハイブリッド特急・HC85系」がやって来ました。2月23日から3月5日までの特別展示です。この博物館でJR東海の車両が展示されるのは初めてです。
【JR東海車両課 大澤弘幸課長代理】
「ハイブリッド車両ということで、車内の静音性・快適性もかなり優れた車両になっています。自信を持ってお勧めいたします!」
床下にはモーターとエンジンの両方を搭載。架線から電気を引いてくるパンタグラフがないのに、電気で走るそうです。
3月のダイヤ改正で、大阪駅への乗り入れも決定しました。
【来場客】
「JR東海が、これまで結集した新幹線の技術と在来線の技術を全部詰め込んだ、すごい特急車両なんじゃないか」
【子どもたち】
「かっこいい!( –Q:どの辺がかっこいい?)かお!」
「乗ってみたい」
■記者がひと足早く体験! 電気とでディーゼルで走る?
実は…もう走っている路線があるそうで、記者がひと足先に乗って来ちゃいました!
【鈴木祐輔記者 リポート】
「名古屋駅です。新しいHC85系はここ名古屋駅からすでに乗ることができます。どんな列車なのか実際に乗ってみたいと思います」
【鈴木祐輔記者 リポート】
「今動き出しました。ディーゼル車ということでエンジンの音がするのはするのですが、だいぶ静かな感じがします」
架線があって電車も走れる東海道線から、架線がなくディーゼルカーしか走れない高山線へ。
新型車両・HC85系は、名古屋と岐阜県の飛騨地方を結ぶ「特急ひだ号」などとして走っています。
実はHC85系のディーゼルエンジンは発電専用で、発電機で作った電気とバッテリーに貯めた電気でモーターを回して走ります。
【静岡からの乗客】
「さっきから表示を見ると、電気で走ったり、エンジンで走ったりと見ていましたけど。へぇーと思いながら見ていましたけどね」
列車は飛騨川に沿って山あいへグングン登っていきます。一番うるさそうなタイミングでドアのわずかな隙間へマイクを当ててみると…。
【鈴木記者 リポート】
「エンジンが回っているなあって感じはするんですが、ディーゼルと言われてもピンとこないような、静かな感じがします」
【名古屋からの乗客】
「前より少し静かだと思います。揺れが、少ないと思います」
静かな列車で穏やかなひとときを過ごしながら2時間半。終点の高山駅に到着しました。
■飛騨高山を堪能! 今も残る江戸時代の街並み すしに猫カフェ
【JR高山駅・畑中徹駅長】
「高山市内には、江戸時代から続く古い町並みであるとか、昔、代官や郡代が執務をとった“陣屋”がございます。ここも非常に人気のスポットでございます」
飛騨高山は、江戸時代中期に幕府の直轄領となり大いに栄えた街です。代官所の建物が当時のまま今も残るのは、全国でもここだけです。
第二次世界大戦では空襲を受ける寸前に終戦を迎え、古い街並みが残りました。
今、コロナ禍を経て、国内や海外からも観光客が戻りつつあります。
【タイからの観光客】
「彼女はすしが食べたいと言っています。私はすしも肉も全部、ご飯と一緒に食べたい」
山の中なのに、すし?
地元で人気のすし屋さんに入ってみました。
【みこと寿司・新家栄一さん】
「よそから見える人は『どこから魚が来るの』ってやっぱ皆さん聞かれますからね。なかなか飛騨の高山が、太平洋から遠いってことは分かるんだけど、日本海にぐっと近いってことは、なかなか理解してもらえないところがありますからね」
富山県の氷見港などから、日本海で獲れた海の幸が新鮮なままやって来るのです。
さらに…
【みこと寿司・新家栄一さん】
「当店で一番メインの飛騨牛のにぎりです、召し上がってください」
【鈴木記者】
「分厚いですね。これテレビ用に分厚く切っている?」
【みこと寿司・新家栄一さん】
「いや、そんなことない。誰でも一緒」
【鈴木記者 リポート】
「ではいただきます。肉というのはこんなにおいしくなるのかと。これは贅沢な味です」
飛騨牛がドカンと乗った「ステーキちらし」もあります。
地元にファンが多いのもうなずけました。
街の散策に疲れたら…こんな癒し空間もあります。
飛騨地方で保護された猫を新たな飼い主につなごうと、2年前にオープンしました。
【猫の月さくらやま・家里マヤさん】
「明治37年の建物で、この地域が伝統建築物の保存地域という場所にありまして。中はリノベーションして猫カフェっぽく。でも、使える明治のものはしっかり使って」
ダイナミックな梁はそのままキャットウォークに。肉球が丸見えになる工夫もこらした、高山ならではの猫カフェなのです。
新型ハイブリッド特急が名古屋のニュース番組で、大きく取り上げられていたそうで…。
【名古屋からの観光客】
「たまたま夕方のニュースで、ハイブリッドの電車の話をやっていたんですよ。で、『ハイブリッド!?』って思ったんだけど」
「乗ってみたいよね」
「いつか乗ってみます!」
飛騨高山までを結ぶHC85系。3月18日から1日1往復、大阪駅にやって来ます。
(2023年2月23日放送)