「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などの作品を生み出してきた漫画家の松本零士さんが亡くなったことがわかりました。85歳でした。
【松本零士さん(2017年)】
「地球を、丸い地球をこの目で見てからあの世に行きたいというのが夢なんですね」
東映によると、13日に急性心不全のため都内の病院で亡くなり、告別式は近親者のみですでに執り行われたということです。
【街の人】
「なんか、一時代が過ぎたなぁという感じやね」
【街の人】
「長男も次男も全部漫画いまだに持っていると思う。よう買ってきて読んでいましたね、寂しい気がしますよね」
1938年に福岡県で生まれた松本さんは9歳の時に手塚治虫さんの作品と出会い、漫画を書き始めました。
少年が列車に乗って宇宙を旅する「銀河鉄道999」はテレビアニメで放送されると、一大ブームに。
「999はいよいよスピードを落としてアンドロメダ駅に近づこうとしています」
映画が公開されると、作品にちなんだ行先不明のミステリートレイン「銀河鉄道999」が走り多くのファンを虜にしました。
こうした功績が認められ、2001年には紫綬褒章を受章。その作品は海外でも高く評価されていて2012年にはフランス芸術文化勲章を受章しました。
松本さんゆかりの場所は、関西にも…。
【西陣国際美術館・蔦田文男館長】
「松本零士先生との出会いがあって、伝統工芸と最先端工芸の融合で出来上がった作品です」
銀河鉄道999のヒロイン「メーテル」を織り込んだ長さ2.6メートルの巨大な西陣織。5年前、松本さんの世界観を西陣織で表現しようと企画されました。
【西陣国際美術館・蔦田文男館長】
「(松本さんは)立派やなとおっしゃっていただいた。大変残念です。私も先生のファンですし、本当にビックリしています」
西陣織国際美術館では、22日から追悼の展覧会を行います。
さらには…
【記者リポート】
「こちら、大阪府堺市にある児童施設・ビッグバンのデザインは松本零士さんが手がけ、館長を務めていました」
1999年にオープンした宇宙船をイメージして作られた建物「ビッグバン」。館内には、昭和30年代の大阪の町並みが再現され、近未来をイメージした松本さんの世界観が広がるフロアも。
【堺市立ビッグバン 岡本俊哉館長】
「宇宙船をイメージした建物はそうないと思いますので、堺の町の中でも特徴的なものになっている。松本零士さんの作品は親しみやすいので、時代が変わってもずっと長く愛されるんだな」
オープン当初、松本さんは館長も務めていて、子どもたちにこう呼びかけていました。
【松本零士さん(1999年)】
「夢の成長速度は、人間の体の成長速度よりも早くてもっと大きいもの。そのために、ここでうんと夢をみてください」
一方、この施設には建設費がおよそ171億円かかっていたため、大阪府の財政再建を進めていた当時の橋下徹知事の目に留まり、存続が議論される場面もありました。
【堺市立ビッグバン 岡本俊哉館長】
「亡くなったこと自身は非常に残念、でも松本さんが残されたものはここビッグバンにも非常に多く残されていますので、ファンの方にも見にきていただければなと思っております」
ビッグバンが誕生した際、松本さんが手がけたラッピング列車が就航した泉北高速鉄道も、松本さんの死を悼みました。
松本零士さんの作品などを管理する「零時社」の公式ツイッターでは、代表作「銀河鉄道999」にちなんだ別れの挨拶がつづられました。
【「零時社」の公式ツイッター】
「漫画家・松本零士が2023年2月13日都内病院にて星の海に旅立ちました。『遠くの時の輪の接する処でまた巡り会える』と松本は常々申しておりました。私たちもその言葉を信じその日を楽しみにしています」