大豆が世界的なタンパク質不足を救う!? 進化した「大豆ミート」やスーパーフード「テンペ」に注目集まる おしゃれすぎる豆腐屋さんも登場 2023年02月06日
国連は、2050年には人口増加が原因で「世界的なタンパク質不足」が起きると予想していて、「プロテインクライシス」と呼ばれています。
肉や魚に変わるたんぱく源として「大豆」が世界から注目されています。
去年発売された「大豆麺」。
小麦粉の代わりに大豆を50%配合した麺で、高たんぱく・低糖質な食品として、女性を中心に人気のようです。
■大豆ミートの進化版「大豆シーフード」
日本ハムが、2月に発売する大豆ミートの進化版、「大豆シーフード」。
魚肉は一切使わず、大豆など植物由来の原料で作られています。
海藻の成分を使って魚の風味を出し、1年かけて開発した独自製法で身がほぐれるような食感を再現しています。
【日本ハム加工事業本部マーケティング推進部・長田昌之部長】
「最近の乱獲による漁業資源の減少に対する対応で、タンパク質の安定供給のためにもシーフードにチャレンジしようと。選択肢を広げる取り組みは今後も継続的に必要となる」
■おしゃれで”映える”「豆腐屋さん」が誕生
街の豆腐屋さんは減り続けていて、30年で4分の1の数になっています。
そんな中、去年10月にオープンし、こだわりがすごいと話題の豆腐屋さんがありました。
コンクリート打ちっぱなしの店内に、粋なインテリア。
奥の作業場にはブルーのライトも光るという雰囲気は、「おしゃれカフェ」
パッケージのデザインも、「海外で売ってそうな豆腐」をイメージしたそうです。
【YACCO豆富店・神原裕店長】
「街の豆腐屋さんっていうイメージがもっと変わっていってもいいんじゃないかなと。豆腐屋に来なかった人たちをどう呼ぶかっていうのはすごく考えました」
「豆腐屋さんなのに映える」と写真を撮っていくお客さんも…
【写真を撮った人】
「オシャレすぎてどこを撮っていいか分からない」
見た目だけでなく、使用する大豆にもこだわりがあります。
「青大豆」と「白大豆」という日本古来の在来種で、生産農家が少ない希少な豆ですが、その濃厚な風味に惚れ、全国から取り寄せています。
さらに、豆腐を固めるために必要な「にがり」の量も一般的な豆腐の半分にすることで、大豆本来の甘みが際立ちトロトロ食感に仕上げました。
【客】「味がやっぱりちょっと濃厚で美味しかった」
【客】「やみつきな味かもしんない」
豆腐の種類も「柚子」や「ハーブ」、「とうもろこし」などバリエーションが豊富で、誰でも一つは“推し豆腐”が見つかるようにしています。
一番人気の山芋豆腐(「食べ比べセット1100円」)を食べてみました。
【吉原功兼アナウンサー】
「口の中に入れたら山芋のねっとりした感じから、豆腐の旨味がふわっと最後に出てきますね」
今の時代にあえて豆腐屋さんをオープンさせ、こだわりの豆腐を作る理由は「豆腐の本来の価値」を伝えたいからだと店長は話します。
【神原裕店長】
「すごく手間がかかる仕事なんです。すごく大変な仕事で何十時間もかけながら1個の物を作るっていう商材なので、もっと価値と価格っていうのが上がってもいいんじゃないかなって思ったのです。もっと若い人たちが働きたくなるような豆腐屋さん、働きに来てくれるような場所であればいいなと」
■注目のスーパーフード「テンペ」
世界で「スーパーフード」として注目されている大豆食品「テンペ」ってご存知ですか?
実は、日本に「テンペ王」と呼ばれる人物がいるとのことで、調査をしに行きました。
滋賀県大津市の雪深い山奥にテンペ王こと、インドネシア出身のルストノさんはいます。
20年前、日本で初めてテンペ工場をつくった、テンペ界では有名な人物です。
「テンペ」とは、インドネシアが発祥で、大豆にテンペ菌を混ぜて発酵させて作る「インドネシアの納豆」とも呼ばれる食材です。
スーパーフードと呼ばれるゆえんは高たんぱく質なのに低カロリー。そして・・・
【ルストノさんの妻・つる子さん】
「テンペ菌に発酵させることで食物繊維も増えますし、ビタミンも増えていくので、栄養的にはスーパーフードと呼ばれる」
テンペは様々な食べ方ができることも、注目される理由のひとつ。
今回はベーシックな料理、天ぷらでいただくことに。
【吉原功兼アナウンサー】
「チーズみたい。発酵感が若干あるかも。クリーミーな感じがします」
サンドイッチに挟んだテンペは、照り焼きチキンのような味わいに。
【吉原功兼アナウンサー】
「臭みとか粘りとか癖がない。普段は発酵食品苦手な人とかも問題なく食べられると思います」
この工場では、1週間で7000パックものテンペを製造。
大手ホテルや全国のアジアンカフェなどにも卸されていて、お肉の代替食材などとして、意外と身近なところにも広がりを見せています。
【吉原功兼アナウンサー】
「最近売れていますか?」
【Rusto代表・ルストノさん】
「結構売れます。小学校の給食ですね、来ました、注文が」
2年ほど前から、全国で需要が増えてきたというテンペ。
しかし、なぜこんな山奥で作っているのでしょうか?
【ルストノさん】
「山の新鮮な水。比良山の水はやっぱりおいしい」
比良山系の天然水に惚れこみ、そのふもとに移り住んだルストノさん夫婦。自分たちで山を切り開き、工場も自分たちで建てました。
そこから、20年越しで、ブームの兆しが…
【妻・つる子さん】
「SDGsのこととかもあって、お肉を少し離れてみようかみたいなところもあったりして。そういうところで大豆を使ったものっていうことでだんだん広がってきているんじゃないかなと思います」
日本の食卓にテンペが並ぶ日もそう遠くないのかもしれません。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月2日放送)