ホカホカごはんのお供として愛されてきた「梅干し」。
実は1月、SNSに投稿されたあるツイートが話題に…
【ツイッターの投稿】
「弊社の梅干し倉庫はパンクしており、梅干しの多くは、行き場のない状態です」
つぶやいたのは、日本一の梅の産地、和歌山県みなべ町で梅干しの製造・販売を行う「梅樹園」。
【梅樹園・生田富哉代表取締役】
「ここが当社の原料倉庫で、農家さんから仕入れた原料(梅)をストックしています。ここ2.3カ月分の在庫と別の倉庫に3カ月分」
去年は梅が豊作だったこともあるということですが、倉庫には梅干し入りの樽が山積みに…。一体、なぜなのでしょうか?
【梅樹園・生田富哉代表取締役】
「梅から離れているっていう意識は皆さんないと思うんですけど、食が多様化している中で梅が選ばれづらくなっている」
総務省の調査によると1世帯あたりの「梅干しの年間消費量」は、2002年に1キロ以上あったのがおととしは658グラムでおよそ4割減少。
食の多様化で特に若者の”梅干し離れ”が進んでいると感じたため、SNS担当の「うめたん」が書き込みをしたのです。
【「うめたん」さん(23)】
「私自身小さい頃から梅干しを食べて育ってきたんですけど、同年代の人とかを見るとあまり梅干しを食べてないパターンが多くて。その現状をなんとかしたい、打破するんだって強い思いを込めて投稿しました」
梅干しの原料となる梅の収穫は年に一度。
生産量が天候に左右されて価格が安定しない上に、山の斜面を利用して栽培することが多く、高齢になると作業も大変です。
日々、梅づくりに励む農家のみなさんは…
【梅農家】
「年々重労働になってきますね。もっと食べてくれたら一番ありがたいんですけどね。消費してくれたら」
【はたの農園・畑野正之園主】
「梅って非常にデリケートで、すべて手作業になるんですよ。手間のかかる仕事なんですけど高品質な梅を作るには仕方ない。酸っぱい梅干しを顔をくしゃくしゃにしながら食べてもらえれば幸せです」
「うめたん」の今回の投稿をキッカケに「梅樹園」のフォロワーは3万人も増えました。SNSでは梅干しの美味しい食べ方やアレンジレシピなどを紹介し梅干しの存在感をアピールしています。
社長と「うめたん」の梅干しの好きな食べ方は?
【梅樹園・生田富哉代表取締役】
「毎晩晩酌に焼酎を飲むんですけど、梅を一粒入れるんですよ。焼酎のお湯割りに梅を入れた時だけ、翌朝スッキリなんです(※あくまで個人の感想です)」
【うめたん】
「僕はそのまま食べるのが一番好きなんです。目をつぶって五感を使って食べるっていう方法が一番いい。梅干しっていうのはまだまだ伸びしろがある物だと思っているので、何か一つ面白いアイデアを使って梅干しの魅力がさらに広がればいいなと思っています」