「成人の日」 “18歳成人”に法改正されるも、“18歳成人式”は全国で3自治体のみ 受験で大忙しの18歳新成人は「新成人っていうより受験生です」 2023年01月09日
成人式と言えば、20歳になった大人を祝う式典でした。法律が改正され、成人年齢は“18歳”に引き下げられましたが、今年開かれた成人式は、一体何歳の人をお祝いする会なのでしょう。ちょっと混乱が起きています。
■大阪市役所でも、甲子園球場でも“20歳”を対象にイベント開催
晴天に恵まれた9日、大阪市役所で晴れ着姿の31人が打ち鳴したのは、親が「身を尽くし」て子どもの成長を見守るという意味が込められた「みおつくしの鐘」。打たれた鐘の数は、二十歳にちなんで「20回」。
去年4月、民法が改正されて「新成人」の年齢は20歳から18歳に引き下げられましたが、この「成人の日」の記念行事に参加したのは今年度20歳を迎える人たちです。
【松本依知佳さん】
(二十歳の私たちからの宣言)「大人になったという事実に恥じぬよう、自覚と責任をもって、言葉だけでなく、行動で示していく所存です」
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場でも、行われたのは「二十歳のつどい」。
去年2021年までは「成人式」として行っていましたが、今年から「成人式」という名称を取っ払い、「二十歳のつどい」に改め、参加できる対象を20歳になる世代としました。
【参加者】
「まあ僕らがこれから日本を担っていかないといけない。社会の歯車として」
「新成人は18歳、成人式は20歳」について参加した人たちに意見を聞くと、
(Q.18歳でやるのと、20歳でやるのどっちがいい?)
【参加者】
「『二十歳』の方がキリがいいし、節目な歳やなと思います」
「(18歳だと)女の子やったら(高校の校則で)髪染めれない子とかいたりするので、不満に思っちゃう子もいるんじゃないかな」
「(20歳のほうが)お酒も飲めるようになるし、(式の)帰りにお酒飲んで、大人なったよね感がほしいな」
■現在18歳の“本当の新成人”は…
一方、“本当の新成人”はというと、
【記者リポート】
「大阪府松原市の学習塾です、こちらでは高校3年生、18歳の皆さんが勉強に励んでいます」
今週末に控える大学入学共通テストに向け、最後の追い込みの真っただ中!
【18歳の受験生】
「初めて知りました、きょう成人式っていうのを。きょうなんやって感じです」
「『ここに住んでるんかな」って思うくらいには勉強してて、1日13時間ぐらいここにおったりする」
「“新成人”っていうよりは“受験生”です」
皆さん、それどころじゃないよ~といったところ。
【18歳の受験生】
「大人になった実感は20歳になるまで薄いかな。でも一人の大人になる者として少しずつ意識は、子供から大人に向けていかないといけないかな」
「働いてお金稼いで、自分で生活していけてるなら、それは大人かな。まだ養ってもらってる身なんで。今はやるしかないんで必死に頑張ります」「第一志望合格、絶対勝ち取ります、おー!」
日本の未来を担う新成人の皆さん、最後まで頑張ってください。
■20歳の若者向けに「大人の階段登る」イベントも開催
そして、受験などの試練をくぐり抜け、20歳を迎えるわけですが、こちらの若者は着物姿で足元はスニーカーといういでたちです。
9日、大阪の「あべのハルカス」では、“大人の階段を登ろう”「ハタチのチャレンジ」というイベントが開催されました。参加者は、地下1階から60階まで、1637段の階段を上りきりました。
【参加者】「もう28階?」「余裕っす。すぐですよ、すぐ」
地上300メートルの屋上に立ち、そこから見える風景を堪能した参加者。将来まで見通せているのでしょうか?
【参加者】
(Q.将来的な夢は?)「まだそんなに決まっていないので、これから大学生活を経て見つけていきたい」
【参加者】
「まだまだ親や周りの大人や友達の力を借りている部分が多いので、もうちょっと大人になっていかないといけない」
18歳になったから、20歳になったから、即“大人”の意識が芽生えるというわけではないようです。それでも「成人の日」は、大人とは何かを考える日になったでしょうか。
■18歳で成人式を行う自治体は全国で3カ所のみ
法律的には“18歳成人”となりましたが、各自治体イベントを行うのは基本的に20歳。18歳で式を行う自治体は全国で3カ所しかありません。三重・伊賀市、大分・国東市、宮崎・美郷町のみです。
三重・伊賀市は「“18歳成人”の自覚を持ってほしい」という理由で、ゴールデンウィークに18歳の成人式を行います。
一方、北海道・別海町ですが、18歳の成人式を開く予定だったのですが、町民の8割が反対したため、従来通り20歳で成人式を行うことになったということです。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年1月9日放送)