岸田首相が、一部の閣僚の交代を検討していることが分かりました。複数の政府与党関係者によると、秋葉大臣の他、性的少数者を巡る発言などで謝罪した杉田総務政務官などを交代させる案が浮上しているということです。
通常国会までに懸念を抱える閣僚らを交代させることで、体制を整えて、求心力の回復を図る狙いがあるとみられています。
岸田内閣は秋の臨時国会の間に3人の大臣が交代しましたが、支持率の下落は止まらない状況です。そうした中で、さらに秋葉復興相の交代が浮上するという事態になりました。
報道ランナーに出演する報道ランナーの鈴木哲夫さんに、詳しく話を聞きます。
【鈴木哲夫さん】
「秋葉さんをどのタイミングで交代させるかについては、ずっと話が出ています。年が明ければ国会が始まり、予算など大事なことがたくさんある中で、委員会が開かれるたびに秋葉復興相の問題が出てきて話が止まってしまうと。だから国会が始まる前の今、年が明けてお正月で、このタイミングで交代させようと、『姑息な交代劇』ですね。そういうタイミングを狙っていたのは間違いない。年内か年明けに交代という流れになると思います」
――Q:4月の統一地方選に向けて、地方から「岸田政権は大丈夫か?」といった声が上がってきそうですが…
「統一地方選でどういう結果になるのか、取材している感じでは厳しいです。自民党の議会議員の候補が街頭演説をする際に罵声を浴びせられているんですよ。普通なら街頭演説をやるんだけど、怖くてできない。かえって刺激してしまうんじゃないかと、支援団体をこそこそ回っている。それぐらい厳しいんです。そうなると、『岸田さんでいいのか?』という流れは出てきます。あと、普通は内閣改造をすると、ムードががらっと変わって支持率が良くなるんです。だけど、もうすでに主要閣僚3人が変わっている。もう内閣改造やってるのと一緒なのに、支持率が上がらない。そういう意味では、内閣改造は支持率対策にならないと、岸田さんは厳しく受け止めた方がいい」
「もう一つ、今日23日に予算案が閣議決定しました。この予算案を決めたのは、例えば秋葉復興相。秋葉さんが責任者として決めた予算案を、来年、審議するときに変えるというのは、国会をなめていると思います。民間企業だと、社長がいて重役がいる。重役が3人も4人も辞めたら、社長が責任を取りますよね。政府はその責任を取らなくていいのかって、僕らがそこを厳しい目で見ていかないといけないと、改めて思います」
――Q:今後支持率が上がることはありそうですか?
「今、国民の声を全然聞いていないんです。増税だって何だって霞が関の言う通りでしょう。本当に国民の声を聞くとか真摯に向き合うとかそういう姿勢を見せないと、支持率は上がらないです。それを何とかすり抜けていこうと、こういう内閣改造に近いことをやっても僕は駄目だと思います」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月23日放送)