“最大15分” 終電繰り上げ 阪急・阪神が17日から これまでと同じ勢いで飲んでいると乗り遅れるかも…忘年会シーズンを前になぜ? 背景にはコロナ禍と少子化 2022年12月16日
クリスマスに忘年会と、お酒を飲む機会が増える時期。楽しい宴の時間が続く中、終電までに「あともう1杯!!」といきたいところですが…その時間が、早まってしまうかもしれません。
■阪急が終電を繰り上げ
【記者リポート】
「梅田で飲んでいても、24時の最終列車に乗れば大丈夫!と思っている方も多いかもしれません。しかし、あす17日からは注意が必要です。最終列車の時刻が引き上げられるのです」
神戸・大阪・京都を結ぶ阪急電鉄が17日からダイヤ改正を行い、最終電車の時刻を繰り上げることになりました。終電を繰り上げるのは、神戸線、宝塚線、京都線の全線です。
例えば、大阪梅田から神戸三宮に行く神戸線の最終電車は、これまで24時ちょうどでしたが、今後は15分繰り上げられて23時45分となります。宝塚や京都の桂に行く最終電車も、3分~15分繰り上げられます。
夜の街で話を聞いてみると…
【利用者は…】
「知らなかったです」
「早まるのは嫌だね、今でも早いなって思ってる。長ければ長いほうが」
「終電でいつも帰っています」
「今までの気持ち的にいってたら終電逃しちゃいますよね。ちょっとつらいなと思います」
深夜0時まで営業している店でも、影響が出ているといいます。
【ラーメン店 店長】
「営業時間をもう1時間延ばしたいなとミーティングしたところ、そういう話が入ってきて、保留にしようかと。コロナ後お客さんの足取り、前に比べたら変わっちゃって。それがもう一つ変わるのかなと思うとちょっと心配も」
阪急電鉄が終電の時間を早めるのは、新型コロナで深夜帯の乗客が減っているため。経営を効率化するための戦略だと説明しています。終電時間が早まるのは、コロナが流行し始めてからこれで2度目です。
阪急電鉄は「いつも乗っておられる列車の時刻や最終列車の時刻が変わっていることがありますのでご利用の際はご確認ください」と呼び掛けています。
■阪神電鉄も終電繰り上げ
阪急神戸線の大阪梅田発、神戸三宮行きは、これまでより15分早い23時45分発。宝塚線の大阪梅田発、宝塚行きは、これまでより3分早い23時45分発が最終となります。
17日から最終電車の時間が早まるのは、阪急電鉄だけではありません。阪神電鉄も、ダイヤ改正で大阪梅田発、神戸三宮行きの特急の最終電車の発車時刻が15分早まり、23時45分となります。
また、神戸三宮より手前の御影へは、これまで24時20分発、24時49分着の急行が最終でした。しかしこれが取り止めとなり、各駅に止まる普通電車が最終となります。梅田からの発車時刻はこれまでより10分早い24時10分、御影への到着時刻はこれまでより2分遅い24時51分となります。
他にも運行本数の見直しなどの変更点もありますので、詳しくは各社のホームページなどを確認ください。
■ダイヤ改正の背景は
全国の鉄道旅客数は、コロナ拡大で激減しました。2019年度にはのべ252億人だった利用者数は、2020年度はのべ176億人になり、2021年度も大きく回復したとは言えない状況です。
関西テレビの神崎デスクは、ダイヤ改正の原因は他にもあると指摘します。
【関西テレビ 神崎デスク】
「コロナで状況が一変して、リモート授業や在宅勤務など、そもそも電車に乗らない人が増えている。コロナが終わったとしても、このまま元には戻らないだろうと。さらに今後、少子化による人口減少がやってくるので、鉄道会社としては今の本数を維持するのは難しい。特に夜は、働き方改革で残業が減ったりコロナで飲みに行かなくなったりと、乗客ががくんと減っているので、合理化としては減らさざるを得ない状況です」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月16日放送)