話題になったニュースの…“誰も知らない”その後を見に行く! 阪神百貨店の「屋上遊園地」に 梅田HEP FIVEの観覧車 テレビ初公開の「機械室」も 24年見守って来た設備担当者の思い 2022年11月22日
日々たくさんのニュースをお伝えしていますが、その後は、一体どうなっているのか?話題になった“ニュースのその後”を見に行ってきました。
■阪神百貨店「屋上遊園地」のいま
多くのニュースが生まれてきた大阪・梅田にある「阪神百貨店の“屋上”」。
2004年には、百貨店の屋上がディスコと化し、ダンス天国となり、2005年には好調のタイガースにちなんで、六甲おろしで盆踊りをしようというイベントが行われました。
そして、多くの人が訪れた「屋上遊園地」は、2014年に、惜しまれつつも閉園しニュースになりました。
当時の阪神百貨店の「屋上遊園地」について、街の人たちはー。
【街の人たち】
「もじゃもじゃのパンダとかよく乗っていましたけど」
「世代、世代!(屋上には)ファミリー食堂と遊園地」
–Q:今ってどうなっているか知っていますか?
【街の人たち】
「知らない…」
「知りません!何かできたんですか?」
というわけで…阪神百貨店の屋上、その後を “みにいこ”!
ことし全館グランドオープンした「阪神梅田本店」。屋上を手掛けたという松田さんが案内してくれました。
–Q:今、どうなっているんですか?
【阪急阪神不動産・技術統括部 松田龍太課長補佐】
「12階にどなたでも使っていただける屋上広場があります」
–Q:遊園地ではないんですか?
【阪急阪神不動産・技術統括部 松田龍太課長補佐】
「遊園地ではないです」
百貨店の東側にあるエレベーターに乗って12階へ上ると、今の阪神百貨店の屋上は緑がたくさんあり、まるで公園のようになっていました。
【阪急阪神不動産・技術統括部 松田龍太課長補佐】
「元々は阪神百貨店のみでしたが、高層部にオフィスビルの機能も備わっていまして、オフィスワーカーだったり、百貨店の来訪者が憩える交流の場所にしました」
にぎやかだった屋上は、今は落ち着いた憩いの場に…時代の流れに合わせ、都会の真ん中で緑を感じられる場所に生まれ変わっていました。
【阪急阪神不動産・技術統括部 松田龍太課長補佐】
「ちなみに甲子園球場のグラウンド整備でおなじみの『阪神園芸』さんが整備し、グループの力を最大限に発揮しました」
【利用者たち】
「都会のオアシスって感じで、癒されてます」
「こういう景色やったなと思って見ているけど、周りは高くなったね」
■驚きの乗り物代名詞『梅田HEP FIVEの観覧車』
大阪ではこれまで、街中に“驚きの乗り物”が度々登場し、ニュースになってきました。2007年、ミナミのビルの上にフリーフォールが誕生、その名も「ヤバフォ」。今はなくなってしまいましたが、地上74メートルから急降下するというヤバさでした。
そんな、乗り物の代表格といえば…
–Q:「HEP FIVEの観覧車」乗ったことはありますか?
【別の女性】
「あるよ、初日、オープンの日。1人で乗れると思って喜んでいたら、アベックと一緒に放り込まれた。気ぃ使った~」
「HEP FIVEの観覧車」が誕生したのは、24年前の1998年。ビルの外まで長蛇の列ができていました。
当時の取材で、1番乗りの乗客に話を聞きました。
–Q:一番?
【1番乗りの乗客たち】
「一番です」
–Q:何時から並んでいましたか?
【1番乗りの乗客たち】
「朝3時」
当時のキャスターも観覧車に乗ります。
【キャスターリポート】
「地上から106メートル、すごい優越感」
見たことのない景色に、子どもたちもハイテンション!
【当時乗った子どもたち】
「面白くって怖くって楽しかった!」
「まるで雲の上」
当時、建設に携わった竹中工務店の担当者は、「ビルと一体化した観覧車は世界でも例がなく耐震設備などに苦労もしたけど、ワクワクした気持ちで乗り越えた」と話しました。
そして、「HEP FIVEの観覧車」の今は…?
【街の人たち】
「動いていたかな~?動いてない?」
「なんか“映画のコラボ”で動いてるのは見ました」
どういうこと!?観覧車のその後を“みにいこ”!
今の「HEP FIVEの観覧車」です。あたりはすっかりクリスマスムードで大勢の人がいますが、当時のように観覧車に並んでいる人は、いないようです。
乗り場がある7階に上がると…お客さんの列が!そのほとんどが女性です。そして、観覧車に乗り込む女性客たちから「キャー」という声が。一体、何が?
観覧車に一番詳しいという大塚さんに教えてもらいました。
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん(55)】
「現在、いろんなお客さんに楽しんでいただこうと『セブンティーン ザシティ・ヘップファイブ』というイベントをしています」 ※現在はイベント終了
新型コロナでお客さんが激減したことを受け、2020年から人気アーティスト「NiziU」やキャラクター「シナモロール」などとのコラボ企画をスタート。
この日は、今、話題のK-POPアーティスト「SEVENTEEN」の観覧車になっていたのです。
–Q:中は、どんなことになっているんですか?
【女性乗客たち】
「(中に)写真があるので、そこに座って写真を、ちょっとドキドキです…まさに一緒に乗る感じ」
【別の女性乗客たち】
「楽しかったです!ずっと一緒に乗っている感じがして幸せ~!」
■観覧車は「わが子のよう」 開業から24年 整備し続けた担当者
ピンチをアイデアで乗り越えてきた「HEP FIVE」の観覧車。実は先ほどの大塚さんが、オープン当時からずっと整備を担当し、安全を守っています。
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「24年間しっかり面倒見ていますので、もうわが子のような存在で、自分の子どもより大切に扱っています」
この日、観覧車を止めての点検日、特別にその“ウラ側”を見せてもらいました。向かったのはテレビ“初公開”だという「機械室」。
観覧車の心臓部になる『油圧ポンプ』を見せてくれました。
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「お見せしたことはテレビではないと思うんですけども、観覧車の心臓部になります。この機械で油を送って観覧車が回っています」
–Q:観覧車は大きいのに地味ですね?
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「そうですね…万が一、これが止まってしまったら、まさに心臓が止まってしまうということに。意外と小さい物で回しているんです」
続いて案内してくれたのは…
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「ここは一般のお客さんは入れないんですが、とても観覧車がよく見えるところです。点検をしに今から行きます」
向かった先にあったのは…「小さなタイヤ」です。
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「先ほど見ていただいた心臓部からこのホースに油が通って、このタイヤを回して観覧車を動かす仕組み。意外やと思うんですけど、このタイヤで観覧車がコロコロと回っていまして、非常にコンパクトにできています」
合計16輪のタイヤで観覧車を回しています。
そして、もちろん高い場所も点検します。大塚さんの目線でカメラを通じて見てみると、目もくらむような高さですが…事故を防ぐためにはかかせません。
こういった高所作業では、照明装置や柱の接合部分などに不具合がないかを入念にチェックします。こうした人の力で、観覧車は守られてきました。
ちなみに大塚さん、観覧車にはあまり乗りません。
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「私が乗っている時に、故障で止まったら修理する者がいないので救出できない…。いろんな高いビルあるけど、また新たに来てもらうと変わった大阪の街を見ていただけると思います」
そんな大塚さんも55歳です。現在は若手の育成にも取り組んでいます。
【HEP FIVE設備担当・中川聡さん(25)】
「一つでも技術を多く習得したいと思ってますので、今後もよろしくお願いします」
【HEP FIVE設備担当・大塚規仁さん】
「ぜひ、頑張ってください!まだまだですけど」
福岡から来た観光客がこの日、初めて「観覧車」に乗りました。
【福岡から来た観光客】
「できた当初、福岡のテレビでこれに乗ってというのがあって、ほんで乗ろうと」
–Q:24年後にやっと乗れた!?
【福岡から来た観光客】
「そうですね!」
ニュースになってから24年、「HEP FIVEの観覧車」は、今日も元気に梅田の街を見守っています。
(2022年11月21日放送)