97歳ドライバーの事故で1人死亡 今後の事故対策は? 海外では高齢者に実車試験を義務付けるところも 75歳以上の3人に1人が免許を持つ時代に必要なことは 2022年11月21日
福島県で、97歳の高齢ドライバーが起こした事故により、1人が死亡し、5人がけがを負いました。現場にはブレーキ痕がありませんでした。
高齢ドライバーによる事故は、どう防げばよいのでしょうか。
2020年末の時点で、75歳以上のドライバーは全国で約590万人、75歳以上の3人に1人が免許を持っています。
現在、75歳以上の人が運転免許を更新するには、講習や検査が必要となります。2時間の「高齢者講習」と、2009年に導入された、認知症かどうかなどを記憶力や判断力で測定する「認知機能検査」です。
しかし、死亡事故を起こした75歳以上のデータをみると、およそ半数が認知機能の低下がなく、認知症のチェックだけではすり抜けていることが分かります。
福島県の事故を起こした97歳の男も、これに該当していました。
ハンドル操作やブレーキ、アクセルの踏み間違いによる事故が多いことなどから、2022年5月からは違反歴のある人を対象に、実際にコースを運転する「運転技能検査」も導入されています。
ただ、過去3年間に違反した人しか対象にならないため、対象者は年間約15万人、75歳以上の免許所有者の7パーセントにとどまります。
海外には、高齢ドライバーへの実車試験を義務付けているところもあります。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州では85歳以上、アメリカのイリノイ州では75歳以上が、原則、実車試験を受ける必要があります。
関西テレビの神崎デスクは、年齢別の死亡事故件数に注目します。
【神崎デスク】
「日本の年齢別の死亡事故件数をみると、免許を取りたての16~19歳より、85歳以上のドライバーが起こす事故の方が多いんです。日本の場合、85歳以上の事故が多いということで、85歳以上は実技の試験を義務化するというのも一つのアイディアかと思います」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月21日放送)