生理や妊娠、更年期障害など、女性が抱えるさまざまな体の悩みを、最新の技術で解決しようという取り組みが、今注目されています。
国内初の大規模な展示会を取材しました。
■ 拡大が期待される成長分野 「フェムテック」
「フェムテック」とは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、女性が抱えるさまざまな体の悩みを、最新技術で解決しようというものです。
国内のフェムテック市場は、去年は635億円に上る見込みで、今後ますます拡大が期待される成長分野です。
10月20~22日に開催された「フェムテックトーキョー」は、最新商品を集めた展示会。主に国内企業175社が参加し、「生理」や「更年期」など、カテゴリー別に商品やサービスを紹介します。
取材をした22日は「一般デー」ということもあり、たくさんの人が訪れていました。
中でもひときわにぎわっていたのは、「月経ディスク」のコーナー。
「月経ディスク」は、ナプキン、タンポンに次ぐ第3の生理用品として注目されている「月経カップ」を進化させたものです。
【MONAカンパニー 向井桃子代表】
「12時間入れっぱなしの使い捨ての生理用品です。使い捨てなので、12時間たったらごみ箱に捨てる」
平らにつぶして、子宮頸部(けいぶ)の下に装着します。記者が思い切り引っ張っても破れない丈夫な素材は、オリジナルで開発した国産のものだそう。
発売は来年2月。10代の子供たちも気軽に使える商品になることを目指しているといいます。
また、妊活のエリアでは気になる言葉が…
【記者リポート】
「『おうち妊活』って書いてあるけど…どんな商品なんでしょう」
子供が欲しいけれど、妊活のために病院に行くには時間も費用もかかり、なかなか踏み切れないというカップルに。家庭で精子を採取し、膣内に注入するキットです。
そして、特に人だかりができていたのは、生理用ショーツのメーカーが開発した、世界初「履くだけで生理の出血量が測定できるショーツ」のブースです。
実際にやって見せてもらいました。
【Be-A Japan中村千春 執行役員】
「10ミリリットルの液体を準備しました。このようにサーッと吸わせて…10ミリリットルを入れた状態でこちら(スマホ)を見ていただくと、このように『8ミリリットル』と出てきます。どうしてもこれぐらいの誤差はあります」
西陣織の帯を作っていた繊維メーカーが開発した、電気を通す特殊な素材の糸が、ショーツの内側に張り巡らされています。この糸が、10分に1回通電して経血量を測定。スマートフォンのアプリで、時間ごとの経血量が把握できる最新のウェアラブル技術によって、体調の変化に早く気付くことができるといいます。
【Be-A Japan中村千春 執行役員】
「(経血量が)いつもは50ミリリットルだったのが、今周期、急に150ミリリットル、また次も…『あれ、何か体におかしなことがあるのかな?』と、サイクルを見ることで気付くことができる」
生理用ショーツメーカーの代表は…
【Be-A Japan高橋くみ 代表取締役】
「“人種別や年齢によって、どれくらい生理の経血量が出ているか”すら、今この21世紀に分かっていない。きちんと経血量を把握することで、産婦人科に行くタイミングのきっかけになるかもしれないと思っています」
【訪れた人は…】
「ちゃんと自分自身が知識を持って備えていけば、不安はないのかなと思いました」
「周りの男性も、いまいち理解がない人が多い。まずは自分が知って、それを周りの人に説明して分かるようにしていこうかなと」
3日間で、1万5千人が来場したイベント。フェムテック市場の未知の可能性に、期待が寄せられます。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月27日放送)