【中国特派員報告】習近平国家主席 "3期目"へ 共産党大会での演説は“短め”でも1時間40分 「ゼロコロナ対策」など実績を誇示 市民からは「目新しさがない」「生活は窮屈なまま」の声も 2022年10月17日
10月16日、中国共産党大会が開幕し、習近平国家主席が演説を行いました。「ゼロコロナ政策」を高く評価するなど、自らの実績を誇示した1時間40分の演説を、中国の国民はどう受け止めたのでしょうか。関西テレビ上海支局・森記者からのリポートです。
【上海支局長 森記者】
「テレビや新聞といった各メディアは、党大会のことを一斉に報じています。中国共産党の機関紙といわれる『人民日報』は一面から大きく報じています。習近平国家主席が演説で語った重要な言葉を、専門家らが4ページにわたって解説し、『社会主義制度の顕著な優位性が世界に示された』と伝えています」
「今回の演説は、前回の党大会よりも1時間以上短いものとなりました。これについて市民に話を聞いたところ、『3期目が確実視される中での自信の表れ』という声がある一方で、『いつも通りの内容で目新しさがなかった』とする皮肉めいた声も聞かれました。実際、演説の時間帯に街の様子を見に行きましたが、普段通りの日曜日の朝、といった印象で街のPCR検査スポットも稼働しており、市民にとって特別な日だという感じは見受けられませんでした」
「市民にとって最大の関心事と言われていた「ゼロコロナ政策」については、今回の演説の中では具体的な展望や変化の兆しは示されず、今後も継続される見通しが強まっています。経済や市民生活に大きな影響を与える政策だけに、「国民の生活は窮屈なままだ」といった批判の声が上がっています」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月17日放送)