「暴言」再びの明石市・泉市長 任期満了で引退へ 3年前の出直し選では「暴言しないことは当然のことで、職員としっかり信頼関係を築き…」 市民は「よくやっている」「今の時代に通用しない」 2022年10月12日
2022年10月12日 明石市議会での泉房穂市長
明石市の泉房穂市長に問責決議案が提出され、可決されました。問責決議案の提出理由は、議会を軽視していて、言動が危険で不適切であるというものです。
■発言がたびたび問題となってきた泉市長
「選挙で落としてやる」「問責に賛成するなら覚えておけよ」
10月8日、発覚したこの暴言、兵庫県明石市の泉房穂市長が、自身への問責決議案を提出する予定の会派に所属する市議2人に対し、“脅し”ともとれる発言をしていました。
■問責決議案の提出直前 市長を直撃 進退は語らず
そんな泉市長に対し、10月12日、問責決議案が提出される直前に、関西テレビでは独自取材を行いました。
【記者】「決議案が可決されても、とくに進退については?」
【泉市長】「今日(12日)午後3時から本会議ですからお待ちください」
進退については明言せず、議長室をあとにしました。
■4会派より議会に提出された問責決議案の中身は?
(明石市議会 12日午後3時半ごろ)
【明石市議会 千住啓介議員】
「議会制民主主義の否定であり、独裁的な行為であると言わざるを得ません」「(市の)信頼を失墜させたことは、大変憂慮すべき事態であり、強い怒りを覚えるとともに誠に残念でなりません」
今年2月、泉市長は地元企業の法人市民税のデータの写真と共に、「法人税割」が5年連続でゼロだったとSNSに投稿。議員たちは、「秘密の情報」を了解も得ずに公開したことを、「歴史上 類を見ない大事件」だと指摘しています。
また去年は、市長が新型コロナ対策としての市民へのクーポン配布に関して、とにかく早く事業を進めることを強く希望。議会側は継続審議を求めましたが、泉市長は議会の承認を得ない「専決処分」で事業を始め、これを「議会制民主主義の否定」「独裁的行為」と厳しく批判しています。
【明石市議会 三好宏議員】
「市長は自分と相反する意見を排除する行為に至っているというのが、非常に不適切ですし、危険だなということで、今回問責決議を出している」
■問責決議案の提出に対しても暴言
さらに、この問責決議案の提出を知った泉市長は、今月8日、明石市内の小学校の式典で同席した市議会の榎本和夫議長に対し…
【明石市議会 榎本和夫議長】
「朝でしたので『おはようございます』というご挨拶をさせていただきましたら、そのお返事に『問責なんか出しやがって、ふざけとんか』『おまえら議員全部、落としてもうたろか』という訳の分からない言葉を浴びせられました」
公明党の飯田伸子市議にも、顔を近づけて「賛成したら許さん」と3度繰り返したということです。2人には、泉市長からその日のうちに電話で謝罪があったということです。
■これまで11年間の“泉”市政 子育て重視の政策で、明石市に子育て世代転入増加などの実績も
泉市長が初当選したのは11年前。「人にやさしい」まちづくりを掲げ、様々な政策を打ち出しました。第2子以降の保育料や、高校生までの医療費を無料にするなど独自の政策で全国的にも注目を集め、明石市に子育て世代の転入が増えました。
一方で3年前、国道拡張工事の立ち退き交渉が遅れていたことに対する市の職員への暴言が発覚。
「立ち退きさせてこいお前らで。きょう火ぃつけてこい!きょう火ぃつけて捕まってこいお前。燃やしてしまえ。ふざけんな!」
市長を辞職したものの、出直し選挙に勝利して再び市長に返り咲いていました。
【2019年 出直し市長選で当選後の泉房穂市長】
「いわゆる暴言のようなことをしないことは当然のことであり、職員としっかり信頼関係を築き、職員と一緒に明石の街づくりをしっかりやっていきたい」
【明石市議会 榎本和夫議長】
「まったく今までの失敗に学んでいないんだなと思いますね。政策的には素晴らしいことやられて結果も出されてるというのは認めるところ。だからといって全て許されるというものではないと思います」
■明石市民の評価は「残念」「市民の事はよく考えてくれた」「いい意味では熱意」などさまざま
こういった騒動を受けて明石市民は…
【女性】「残念。本質はそういう方なのかなって思う。支持がある層には支持があるんでしょうけど」
【男性】「今の時代そういうのは通用しないと思います」
【女性】「気の短いところがあるんでしょうか。でも私ら市民のことはよく考えていただいてます」
【男性】「頑張ってるんじゃないですか。いい意味にとらえたら熱意があるんだろうと。
何にもしなかったら無難にすぎる人がいいか、荒立てて変えていくのがいいか」
■問責決議案可決 泉市長は「政治家引退」と発言
議会では、つい先ほど、泉市長に対する問責決議案が、自民・公明などの賛成多数で可決されました。議会は続いていて、暴言の経緯について、議員が泉市長に直接問うことになっています。