めざせ5兆円 インバウンド復活の『カギ』は…コロナ前に消費額「4割」占めた爆買いの“あの国” 専門家は「中国の“ゼロコロナ政策”次第」 2022年10月11日
水際対策緩和が緩和され、外国人観光客の姿が戻り始めました。さまざまな対応は求められますが、コロナに苦しむ観光業界にとって、復活の一歩となることが期待されています。
岸田首相は10月3日、「ビザなし渡航、個人旅行再開などインバウンド観光を復活させ、訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超の達成を目指す」と表明しました。
訪日外国人の年間旅行消費額の推移を見ると、コロナ禍前の2019年には約4兆8000億円に達しましたが、コロナ感染拡大後の2020年には激減し、2021年には約1200億となっています。
岸田首相が掲げた「年間5兆円」という目標について、大和総研の小林若葉氏は「来年以降5兆円規模はいけるはず。ただ、大前提は中国がゼロコロナ政策を転換させること」と話します。
2019年の消費額の内訳を見ると、4.8兆円のうち、約4割が中国人観光客の消費です。中国がゼロコロナ政策をしている間は5兆円規模の消費は見込めないというのが、小林氏の見解です。
関西テレビの神崎デスクは、「中国に頼りきると、今後も日中関係に左右されることになる。タイやシンガポール、インドネシアといったアジアの富裕層にも積極的にアピールしていくべき」としています。
いったん、右肩上がりの復活を取り戻しつつある観光業界ですが、コロナ再流行の可能性もあり、まだ時間がかかるかもしれません。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月11日放送)