元町の高架下「モトコー」がリニューアル 闇市由来のディープな「ごった煮」商店街が“神戸ならでは”のおしゃれスポットに 3代にわたって見つめ続けた店は 2022年10月03日
神戸のJR元町駅の高架下にある商店街「モトコー」がリニューアルオープンしました。人気スポットはどんな姿に生まれ変わったのでしょうか?
神戸のJR元町駅と神戸駅を結ぶ元町高架通商店街、通称「モトコー」。10月1日、一部の区画がリニューアルオープンしました。
戦後の闇市が源流とされる商店街「モトコー」は、狭い路地を挟んで個性あふれるお店がひしめく、独特の雰囲気でした。
レトロでディープな街並みが人気でしたが、開放感のある建物となって生まれ変わりました。
今回のリニューアルでは、これまでのイメージとは一変、神戸ならではの洋風の雰囲気を意識したレンガ調の建物に。JR西日本は2024年までの完成を目指していて、多くの商業施設などが軒を連ねる予定です。
【訪れた人は…】
「明るくなって良かったなって思います。子供もいるんで歩きやすいです」
「スタイリッシュになってるから、若い子には受けると思うけど…昔は昔でマニアックな店とか情緒とかあったから」
「モトコー」を巡っては6年前、JR西日本が老朽化対策などのための再整備計画を発表。工事に伴って店に退去を求めましたが、突然の要請に商店街側は反発しました。
2016年に開かれた、JRの説明会では…
【JR西日本の担当者】
「契約期間が満了を迎えますので、この機会に(退去)をお願いしたい」
【商店主】
「納得できる人いますか!」
交渉は難航しましたが、今では9割以上の店からの同意を得たといいます。
【JR西日本 経営企画部 前川元 課長】
「たくさんの方々と、長きにわたって話を続けてきました。防火防犯の向上ができたり、耐震工事もできました。新たな街づくりをしますけど、皆さまに愛されるような街をつくってまいります」
さまざまな思いとともに変化を見つめてきた、「モトコー」の人々。親子3代にわたって衣料品店を営んできた岡幸雄さんは、「一言で言い表すのは、なかなか…」と言葉をにごします。
【岡さん】
「思い出の場所が一つ減り二つ減り…景色がなくなっていくというのは、つらい部分はある。生まれ育って、赤ちゃんのころから高架下を見てきたので」
再整備をきっかけに移転や廃業の道を選ぶ店もありましたが、岡さんは「新モトコー」に移って再スタートをすることを決めたといいます。
【岡さん】
「“高架下”っていう文化をこれからも見ていきたい」
街が変わることへの寂しさを感じつつも、前を向いて新たな「モトコー」に期待を寄せます。
【岡さん】
「また、どういう街になるかっていうのは不安でもあるけど、楽しみな部分もありますし。以前のモトコーはディープ、ごった煮っていうイメージやったけど、現代版・未来版ごった煮を続けていってほしいというのは僕個人の願いでもあるので」
【岡さん】
「いい街になっていけたらこの上ないことやと思います」
愛され続けてきた神戸の人気スポット。さまざまな人の想いを乗せて生まれ変わります。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月3日放送)