社会問題になっている歩きスマホを防ごうと、兵庫県尼崎市でユニークな取り組みが始まりました。
JR尼崎駅にお目見えした、選挙ポスターのような掲示。公約のように書かれているのは、「歩きスマホ撲滅します!」「歩きスマホ罰金とったろかな」といった文章です。
実はこれ、歩きスマホをする人を減らすため、尼崎市が大阪大学と共同で作った選挙ポスター風の注意喚起なんです。
さらに…
【記者リポート】
「こちらのポスターの前を歩くと、どの角度からでも目が合っているような気がします」
ポスターは立体的に作られた「だまし絵」になっていて、どの角度からでも目が合う「仕掛け」が施されています。
このポスターの仕掛け人は、無意識に人の行動に影響を与える「仕掛学(しかけがく)」の研究をしている、大阪大学の松村真宏教授です。
【大阪大学大学院 経済学研究科 松村真宏教授】
「歩きスマホの人が、周りなんて見てないわけなので掲示板に気付かないんですね。よっぽどの誘引性がないと無理かなと思ってまして、インパクトがあるものを使おうとなりました」
実際にポスターの効果はあるのか、駅を利用する人たちに聞きました。
【20代】
「気持ち悪いなって」
「普通の選挙の看板と違って、飛び出してるから何やろう?って気になる」
【30代】
「すごく気になって、立体で目を引きました。意味合い抜群だと思います、つい私は見ちゃいました。効果ありそうですね」
取材中、歩きスマホをしている人は何人もいましたが、スマホからポスターに視線を移した人も。
【歩きスマホをしていた人】
「誰かのいたずらかと思いました。目が行きました。周りはちゃんと見た方がいいのかなと思います」
このポスターは2週間掲示され、歩きスマホの人数の変化を計測して効果を検証するということです。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月29日放送)