アメフトの元プロ選手がマグロの目利き修行 NFLで最高年俸14億円のスター選手がセカンドキャリア求め日本へ 選手生命が短い現実に「第二の人生支援したい」 大学時代に「寿司」を食べたのがきっかけ 実は師匠も元アメフト選手!? 2022年09月22日
アメリカンフットボールの最高峰NFLで活躍したスター選手が、先月、大阪の街を訪れました。
意外なその目的は…「マグロの目利き」です!
■アメフトの元プロ選手が大阪の卸売市場へ 第二の人生は「食の道」に
夜も明けない大阪中央卸売市場。マグロの解体が行われていますが、そこに恰幅のいい外国人の男性の姿が。包丁を持ち、解体を体験しています。
【佃水産 佃宗一郎社長】
「イエスイエス!ナイス!OK!ビューティフル!」
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「Thank you!」
こちらの男性、ホイットニー・マーシラスさんはアメリカンフットボールの元有名選手。ことし4月に引退するまで、所属チームを3度、ポストシーズン進出に導きました。10年の現役生活で、最高年俸はなんと1000万ドル超え!(日本円で約14億円)
そんなスーパースターが、なぜ市場にいるのでしょうか?
【佃水産 佃宗一郎社長】
「いまから競りの場所に行くよ!マグロを見極めるんだ」
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「Oh! マグロを見極める!?」
そう、目的は「マグロの目利き」です。
ホイットニーさんは、大学時代に寿司を食べたことをきっかけに和食に興味を持ちました。現在は料理のイベントを開くなど、「食の道」を第二の人生として歩もうとしているのです。
■京都の料亭で「だし」の飲み比べ 懐石料理に「アメイジング!」
マグロを取り扱う佃水産の佃宗一郎社長のもとを訪れるため今回、初めて来日したホイットニーさん。
この前日には、京都の高級料亭を訪ねました。この料亭では、佃さんが卸したマグロを取り扱っています。
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「この店どのくらいの歴史?」
【魚三桜10代目 荒木裕一朗さん】
「250年(以上)」
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「とっても長いね…」
割烹着に着替え、まずは厨房を見学します。和食の命「だし」の飲み比べをしてみると・・・
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「昆布だしは塩分やミネラルが感じられます。カツオのだしは魚らしい味ですね。合わせだしはずっと飲んでいられるくらいおいしい」
これですっかり心は“日本人”?
そして、人生で初めてだという懐石料理には・・・
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「いただきます」
マグロのお刺身を食べた途端、
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「アメイジング!(すばらしい) この舌触りが大好きだ!」
佃さんのマグロはもちろん、コース料理をぺろりと完食しました。
■ マグロの目利きの“師匠”も元アメフト選手 「アスリートの第二の人生応援したい」
このマグロの美味しさのヒミツが知りたい…翌日の午前2時から、佃さんのもとで、「マグロの目利き」の体験です。
–Q:昨日よく寝れた?
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「ちょっとしか寝ていない、1時間くらいかな。この体験はすごく大事だから寝られない」
実は、佃さんもホイットニーさんと同じ元アメフト選手なんです。さらに、佃さんのもとで働くスタッフ2人もアメフトのプレー経験があり、佃さんは選手生命の短いアメフト選手のセカンドキャリアを支援しています。
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「低品質(のマグロ)はどんなの?」
【佃水産 佃宗一郎社長】
「(低品質なのは)色が暗い、輝いてない」
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「どう調理したらいいの?」
【佃水産 佃宗一郎社長】
「天ぷら、バーベキュー、ステーキ…」
「競り」の様子も見学!これも市場でしかできない経験です。
そしてホイットニーさんはこんな体験も…佃さんが「こんな感じ」とお手本見せながらマグロに包丁を入れます。
ホイットニーさんもマグロを切ります。見事な包丁さばき!
体験を見守った佃さんは…
【佃水産 佃宗一郎社長】
「日本のアスリートって結構セカンドキャリアでつまずくことが多くなるので、そこを僕もこの会社で何か役に立てたらなと思って仕事してるんですね。その中で今回彼もセカンドキャリアで来てくれたので、すごく勉強になりました」
【元NFL選手 ホイットニー・マーシラスさん(32)】
「とってもよかった!こんなこともできるなんて思ってもみなかった。マグロ職人になりたい」
早ければ年内にも再来日する予定のホイットニーさん。目の肥えた「ホイットニーさんのマグロ」を味わえる日が近いかもしれません。
(2022年9月21日放送)