静岡県で3歳の園児がバスの中に置き去りにされて死亡したことを受け、安全装置を開発する動きが加速しています。
9月17日、大阪市内で行われたデモンストレーション。運転手がバスから離れて少しすると、辺りに警告音が鳴り響きました。
【記者リポート】
「車内のカメラが置き去りになった人を検知すると…こちらのブザーが鳴って、周囲に知らせてくれるんです」
一見、誰も乗っていないように見えるバス。バックミラー運転席のバックミラーにも誰も映っていませんが…“死角”に子どもが隠れていたのです。
そこで開発された安全装置。その名も、『車内・置き去り・しないで』通称「SOS(エスオーエス)」です。エンジンを切って一定の時間が過ぎると、車内に設置したAIカメラが起動して、取り残された子供を検知します。そして、バスの外につけたブザーが鳴リ響き、周囲の大人に「SOS」を出してくれるのです。
また、職員室など離れた場所にも「置き去り」を知らせることができます。
このシステムは、重機用のカメラなどを販売する大阪市の企業が、2021年に福岡で起きた園児の置き去り事故を受けて開発を始めました。
【TCI 尾崎俊行社長】
「まさか2回目(静岡の事故)が、こんなことが起きるとは思ってなくてですね…。2児の父として、そういう痛ましい事故を思った時に、やりきれない気持ちというか…」
発売は10月ですが、保育園や幼稚園などから、すでに100件以上の問い合わせがあるということです。
【TCI 尾崎俊行社長】
「工事が必要な商品ですので、どうしてもやっぱり高額になってしまいがちな商材ではあると思うんですけど、(国などからの)補助が出ると、各園も導入しやすいんじゃないかなと思ってます」
導入コストが課題となる、園バスへの安全装置の設置。現在、政府が財政措置を検討しているということですが、すぐにでも導入できる無償サービスもあります。
フルティフル合同会社が開発したアプリ「QRだれドコ」。バス停での乗車時と園での下車時に、名札の裏などに付けたQRコードを読み取ることで自動点呼するというシステムで、もし降ろし忘れが発生したときは、添乗者や保護者のスマホに通知が来ます。保育園・幼稚園には原則無償で提供されます。
相次ぐ園バスへの児童の置き去り。防ぐために、具体的な対策が求められています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月20日放送)