和歌山県白浜町のホテルで布にくるまれた赤ちゃんの遺体がごみ箱に遺棄された事件で、赤ちゃんの母親とみられる女が逮捕されました。
■相次ぐ“赤ちゃん遺棄” 大阪や名古屋でも
死体遺棄の疑いで9月14日に逮捕された、京都市南区に住む事務員の山田桃子容疑者(31)。9月10日、白浜町のホテルで、生後間もない男の赤ちゃんの遺体をホテル内にあるごみ箱に遺棄した疑いが持たれています。
赤ちゃんが遺棄される事件は、今年に入って相次いでいます。
5月には堺市のホテルのトイレの便器から、生きている赤ちゃんが見つかりました。へその緒がついたままで低体温症の症状があったものの、幸い命に別条はなかったということです。
6月には大阪市のコインパーキングで、紙袋に入れられた赤ちゃんの遺体が見つかりました。死体遺棄の罪で起訴された吉田絵里佳被告(28)は、売春などで生活費を稼いでいましたが、金銭的に厳しかったことや売春の後ろめたさから病院を受診しなかったと、犯行の経緯について話しています。
9月には、名古屋市内のビジネスホテルの配管室に女の赤ちゃんの遺体を布などに包んで遺棄した疑いで、住所不定・無職の石橋結斗容疑者(21)と飯田果名美容疑者が逮捕されました。逮捕後の調べに対し、「子どもが生まれた時にお金がなく、どうしたらいいかわからなかった」と容疑を認めています。
また名古屋では9月14日にも、「自宅内を整理していたら遺体を発見した」と警察に通報があり、ミイラ化した赤ちゃんの遺体が見つかっています。
■「1日前でも『助けて』と言って」 24時間体制で相談を受け付ける窓口
相次ぐ赤ちゃんの遺棄事件。兵庫県神戸市の「小さないのちのドア」は、望まない妊娠などで誰にも言えず孤立した女性の相談を、24時間体制で受け付けています。
【小さないのちのドア 永原郁子代表】
「バレてしまうんだったら、みたいな感じなのかな…」
なくならない赤ちゃんの遺棄事件。代表の永原さんは、やりきれない思いを口にします。
【小さないのちのドア 永原郁子代表】
「本当に1日でも2日でも前に連絡くだされば、私たちが精一杯支えることができたのにと。防げる事件だなと、防げる、守ることができる命だなって思うんですよね」
「小さないのちのドア」は、思いがけない妊娠で頼る人や住むところがない女性が安心して出産し、産後までさまざまなサポートを受けられるマタニティホームを運営しています。
【小さないのちのドア 永原郁子代表】
「そういう事件が起こると、『我が子を産んだお母さんが殺すなんて』と社会の非難がきますけど、決してその女性は特別な方ではないと私は想像しています。安易なセックス、そして言えなかった、言えなかった…それが続いた結果で。妊娠して困ったなということがあれば、必ず専門家が地域とか、また保健所、行政にいますので。『助けて』って言ってもらったら必ず助けがきます。ですので『助けて』の声を必ず出してください」
一つ一つの遺棄事件から、私たちは今後、赤ちゃんを救う手立てを見出していかなければなりません。
★「小さないのちのドア」への問い合わせ先(兵庫県民以外の方でも無料で利用できます)
電話:078-743-2403(24時間)
LINE ID:@inochinodoor
Email:inochi@door.or.jp
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月15日放送)