「これが日本の本当のティーですね」 47年前の訪日時の思い出 エリザベス女王死去に関西でも広がる悲しみ 王室御用達の紅茶店では限定品の注文が10倍に 2022年09月09日
悲しみに包まれているイギリス。半旗が掲げられたロンドンのバッキンガム宮殿の前には、弔問に訪れる多くの人の姿があります。
イギリスの君主として最長となる70年にわたって在位し、国の統合を象徴する存在だったエリザベス女王が、9月8日、静養先のスコットランドで亡くなりました。
その悲しみは、関西にも。神戸にある、英国王室御用達のコーヒーや紅茶を販売している、紅茶専門店H.R.ヒギンスでは…
【英国王室御用達H.R.ヒギンス神戸店 藤原志保子店長】
「悲しいですね、朝からずっと。いつかこういうときが来ると思ってたんですけど」
9日朝、店長の藤原さんは哀悼の意をこめて、エリザベス女王が愛した紅茶を花とともに供えました。
ことし6月に女王の在位70周年を祝って作られた限定品には、訃報を受けて注文が10倍以上入っているということです。
【英国王室御用達H.R.ヒギンス神戸店 藤原志保子店長】
「オンラインで販売も行っているけど、きょうの未明から注文がひっきりなしに入っている状態。70年も女王を務めるというのは同じ人間として本当にとてつもないことだなと思うので。その大役をずっと背負ってこられた女王さまに尊敬と感謝の気持ちでいっぱい」
1926年4月、のちの国王ジョージ6世の長女として誕生したエリザベス女王。王位を継承したのは25歳でした。1975年、女王が49歳のときには、夫の故・フィリップ殿下と共に来日。関西を訪れ、京都御所や寺を見学し、お茶を楽しむ様子が見られました。
女王にお茶をたてた茶道裏千家の前家元・千玄室大宗匠に、当時の様子を伺いました。
【裏千家15代 前家元 千玄室 大宗匠】
「『これが抹茶っていうんです』と。女王陛下は指先でつままれて、『これが日本の本当のティーですね、イングリッシュティー&ジャパニーズティー、ジャストナウ一緒になりましたね』と」
【裏千家15代 前家元 千玄室 大宗匠】
「そのときはびっくりしました。アットホームといいますか、そういう気楽な場をお作りいただき、緊張していた周囲の人もホッとされたような感じでした」
西本願寺でエリザベス女王に花束を渡した子供たちのうちの1人で、今は大阪の相愛大学で真宗学を教える佐々木隆晃准教授にも、当時の思い出を聞いてみると…
【佐々木隆晃 准教授】
「花束を渡すときのことに関しては正直、覚えていないんです…。『女王陛下はどうおっしゃいましたか?』という質問に、『サンキューと言わはった』と書いている文章(記事)を見ることができました。ごゆっくりなさってくださいというのが正直な思いであります」
地元紙の報道によると、この後女王の死から10日間は、童謡の「ロンドン橋が落ちた」になぞらえた計画があるそうです。女王の棺は13日にロンドンへ運ばれ、およそ4日間公開安置された後、19日にウエストミンスター寺院で国葬される予定です。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月9日放送)