記録的な豪雨 河川氾濫も人的被害は“ゼロ” 滋賀・長浜市の地区にある“目で見て分かる”『避難の目印』 行政の避難指示は氾濫わずか“15分前”も…先に高台へ避難完了 住民たちが口をそろえた「あの数字」とは 2022年09月05日
8月の記録的な大雨で、河川が氾濫し多くの住宅が浸水した滋賀県長浜市。しかし、人的被害はありませんでした。その背景に何があったのか、取材しました。
8月5日、滋賀県を襲った記録的な豪雨。川が氾濫し、道路を覆いつくしました。
長浜市付近では午前6時半までの1時間に90ミリの猛烈な雨が降り、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。濁流は橋を飲み込み、住宅街に押し寄せようとしていました。
【記者リポート】
「当時、こちらの橋の上まで濁流が押し寄せたということなんですが…橋の一部が壊れたままで、まだ修復できていない状態です」
あの日、住民たちはどう行動したのでしょうか?
【住民】
「あそこ(橋脚)にレベル計が貼ってある、水位の。あれが0になった場合、道が浸水する。あそこまで来たら(0になるまでに)避難」
【住民】
「橋に数字が書いてある。1くらいになったら避難をしようかなと」
この橋がある木之本町大見地区は、過去に何度も水害に見舞われてきたため、2年前に滋賀県と協力して、橋に水位の目印をつけました。
住民たちは、早ければ目盛りが1.0に、遅くても0.5になるまでに避難することにしています。水害当日も、午前8時にはほとんどの住民が橋を確認して、近くの高台へ避難を開始。
長浜市から避難指示が出たのは45分後で、その15分後の午前9時には川が氾濫しました。
水位の目印は200年に1度の水害を想定して設置したものでしたが、経験したことのないレベルの水害が起きてしまいました。その結果、この地区の多くの住宅が浸水しましたが、住民およそ30人にけがはありませんでした。
【木之本町大見地区 林義雄自治会長】
「早めの避難を心がけるということだと思います。大したことなくても、空振りに終わったところで、『良かったな』と」
大雨から命を守るために、行政が出す避難情報だけではなく、一人一人の避難の意識が大切です。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月5日放送)