「記録的な値上げ」で私たちの生活はどう変わる? 原油高、円安、気候変動…生鮮食品も加工食品も値上げラッシュ お酒は9月中のまとめ買いがおすすめ 2022年08月26日
9月以降、「記録的な値上げ」で、私たちの生活が大きく変わるかもしれません。
大阪市内のあるスーパーをのぞいてみました。
野菜売り場では、これまでは1本38円だったきゅうりが78円に。
大雨の影響で日照不足になり、収穫量が減ってしまったそうです。
精肉コーナーで値上げが目立つのは、国産の豚肉。
ヨーロッパの猛暑で世界的に品薄になったため、国産の豚肉が取り合いになり、仕入れ値が3割ほど上がってしまったとのこと。
また魚も、天然は漁獲量の減少、養殖は餌代の高騰などで、それぞれ値上がりしてしまったそう。
残念ながら加工食品も…
例えばハウス食品のカレーは、現在の在庫がなくなり次第、1割ほど値上がりします。
原材料費はもちろん、パッケージ代も高騰しているそうです。
お酒も各社10月1日からの値上げが予定されていて、ビールは1本10円ほど上がってしまうそうです。
スーパーでは、早めの買い置きをすすめるPOPを用意していました。
相次ぐ値上げについて、スーパーの社長は…
【フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長】
「値上げの要因として、穀物相場の高騰、原油高、円安、気候変動などたくさんの要素が重なりました。企業努力で価格据え置きをしたり、値上げ幅をなるべく小さくするよう頑張ってはいます。これ以上値上がりが続くとどうなることやら…というところですが」
価格を据え置いたまま内容量を減らす、いわゆる「実質値上げ」される商品も。
例えば雪印の6Pチーズは108グラムから102グラムに、日清のココナッツサブレは20枚から16枚に変わります。
今年は1月~8月の間にすでに約1万品目が値上げされていますが、さらにこの秋だけで8043品目の値上げが予定されています。
また、4社に1社が年内の「再値上げ」を実施するなど、これまでになかった動きも出ています。
この状況がいつまで続くのか、専門家に聞きました。
りそな総研の荒木秀之主席研究員は、「値上げの波は、今年いっぱいは続く」と予想します。
打開策として「物価と共に賃金の上昇が望まれるが、現状、企業が苦しい中で、賃上げの議論は現実的ではない」と指摘しています。
お財布の中身が大きく変わらない中、私たちは値上げの波をどう乗り切ればいいのでしょうか。
ファイナンシャルプランナーの前野彩さんは、ポイントや朝夕の特売などを活用して節約すること、その上でお金の知恵をつけることが大事だと話します。
まずは…
▼固定費を見直し
→保険料や携帯電話、ネットの料金など、月々の出費を減らすこと。
そして、
▼お金を”増やす”こと
→「フリマアプリ」の活用で不要なものを処分
→「マイナンバーカード」を申請して、マイナポイントを取得する
こうした取り組みがおすすめだそうです。
「記録的な値上げ」を乗り切るカギは、案外自分の身近なところにあり、ちょっとした行動の積み重ねが、長い目で見ると、大きな差を生むのかもしれません。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月26日放送)