"旧統一教会" 関連の学生団体「CARP」が各地に 大学生へのアプローチは… 大阪大学では「正体を偽って勧誘、それが問題」と注意喚起 「ご飯食べられるよ、とか言われたら行っちゃう」の声も 2022年08月22日
今、各地の大学で、旧統一教会の関連団体が正体を明かさずに勧誘を行っている実態が見えてきました。
豊中市にある大阪大学。
構内のメインストリートのど真ん中にはこんな張り紙が…
「オンラインを含む不審な勧誘に注意!」
大阪大学は、学内などで世界平和統一家庭連合=いわゆる「旧統一教会」の関連団体などの勧誘が行われることを警戒しているのです。
【学生を支援している教授】
「正体を偽って勧誘する、それが問題だと」
「統一教会」では1980年代から、一部の信者が壺や印鑑を高い値段で販売する「霊感商法」を実施したり、その正体を隠して勧誘を行っていたことが社会問題化しました。
2015年には名前を「統一教会」から「世界平和統一家庭連合」に変更。
それ以降、大阪府では富田林市や松原市がボランティア団体として認定し、自治体との接点を持つようになります。
その関連団体が、全国にある学生団体「CARP(カープ)」。
ホームページには、「大学生が世界平和のビジョンを描き、真理探究の機会を提供する」と書かれています。
そして、この組織の「提唱者」の欄には、文鮮明氏と韓鶴子総裁の名前があります。
7月には福岡市が、清掃活動に取り組んだとして過去に表彰した九州大学の非公認サークル「九大CARP」について、旧統一教会と関係する宗教団体と判断したため、表彰を取り消しました。
【福岡市 高島宗一郎市長】
「受賞者を選ぶときのチェック体制が甘かったと言わざるを得ない」
同様に、大阪大学でも旧統一教会と関係する「阪大CARP」という団体が確認されています。
阪大CARPは箕面市内の小学校で休日にボランティアとして科学実験の講座を開いていました。
大阪大学は、この団体について学生に注意喚起を促しています。
【大阪大学 太刀掛俊之教授】
「宗教かどうかという問題以前に、正体を偽って(学生を)勧誘すると。それが問題だということで大学で啓発している」
大阪大学で学生の支援を担当する太刀掛教授によると、「阪大CARP」は大学の支援を受けずに活動している「非公認団体」だということです。
教団の教えを実践する団体だと認識しているとして、この団体が何を目的としているのかしっかりと学生に説明する責任があると話します。
【啓発動画】
「今、何回生ですか?」
「3回生です」
「あっ一緒!おれも3回生。就活とかって大変やね?」
大阪大学ではキャンパス内の勧誘に注意するよう5年前に啓発動画を作り、キャンパス内などの掲示板などで紹介しています。
【大阪大学 太刀掛俊之教授】
「かつては実際に阪大CARPに入って、その後入信してとあるきっかけで退会する学生がいた。きっぱりと断ってほしいというのと、何か活動に関わっていて、違和感があった場合には、家族や友人に相談するということをしてほしい」
学生たちは…
【阪大生】
「自分の友人がそれっぽいのに当たったことはある。テスト期間にテストのことをエサにされて、実際食堂で(声をかけられた)」
「『ご飯食べられるよ』とか言われたら全然行っちゃってた。入ったばかりの頃は気持ちが浮ついてたので、そこまで注意が回っていないのは周り見ても多いかな」
大学のCARPを支援する「ワールド・カープ・ジャパン」は、関西テレビの取材に対し、「CARPとして世界平和統一家庭連合の勧誘を行っていない」としています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月22日放送)