暑い日が続く中、車の故障が急増しています。
8月19日、兵庫県伊丹市のある家の駐車場でも、車の修理が行われていました。
――Q:車が故障したときはどんな状況でしたか?
【車の修理を依頼した川口さん】
「お盆に家族で買い物に行ったんですけど、子供2人が寝ていたので、私も一緒に車に残って。妻の買い物を待っていたら、電気系統、クーラーやオーディオが止まってしまって、おかしいなと」
――Q:家まではどうやって戻られたんですか?
「エンジンは動いたので、1人なら乗って帰ろうと思ったんですけど、子供がいたので怖いなと思って。レッカーを呼んで…」
出先での故障でとても大変だったそう。
修理を担当した整備士の森田さんは、「オルタネーターの故障」だと話します。
大阪・八尾市でも…
――Q:今、何の作業を?
【整備士 大倉さん】
「オルタネーターっていう発電機の交換です」
――Q:今日は何件目?
「4件目です。全部同じ作業ではないですけど」
普段は奈良県内で中古車販売店を経営している大倉完仁さん。
整備士の出張サービス「Seibii(セイビー)」からの依頼を受けて、奈良県やその周辺で修理を請け負っています。
【整備士 大倉さん】
「今日は朝からずっと大阪です」
――Q:去年と比べて仕事量は?
「多いです。暑くなってきて、故障が多いなっていう感覚はありますね」
■暑さで故障が増える理由
Seibiiが7月に全国で受け付けた車の修理はおよそ900件。
これは去年に比べて3割多く、また、去年8月は269件でしたが、今月は15日までですでに269件と、倍のペースで増えています。
Seibiiによると、夏の猛暑や高い湿度は車の部品に大きなダメージを与えます。
クーラーの使用などによってエンジンを始動させる発電機オルタネーターやバッテリーに負荷がかかり、故障が増えているということです。
さらに、今年特有のこんな原因も…
(1)半導体不足
新型コロナによるロックダウンなどで海外で製造される半導体が品薄となり、新車の製造も滞っていて、古い車に乗り続ける人が増えたことから、トラブルが相次いでいるそうです。
(2)『行動制限なし』で…
3年ぶりにゴールデンウイークや夏に行動制限がなくなったことで遠出する人が増え、「久しぶりに運転した車が動かない」という依頼が急増しているということです。
【整備士 大倉さん】
「人間と同じで、ずっと乗っていた車に急に乗らなくなるとか。人間が運動不足になるのと同じで、不具合が起きやすくなる」
所要時間はおよそ1時間。
今回のオルタネーターの修理費用は4万4000円、バッテリーの交換は2万円からだということです。
Seibiiの広報・岩熊さんにも話を聞きました。
――Q:夏休み・お盆休み、かなり暑い日が続きましたが、やっぱり修理依頼も多かったですか?
【Seibii 岩熊さん】
「土日はかなり電話が多かったです。『今から旅行なのに、ガレージで車が動かなくなった』とか、『サービスエリアで休憩後、エアコンが突然止まってしまった。子供や高齢者がいるのにどうしたらいいんだ』という、切羽詰まったご連絡があり、精いっぱい対応しました」
――Q:それだけ依頼が多いとなかなか修理が追い付かないという状況も?
「そうですね、400人の整備士が47都道府県でサービスを展開しているが、部品の供給とか…フル稼働で対応しています」
■暑さのトラブルを防ぐ「車の健康診断」
全国で相次ぐ車の故障。防ぐためにはどうしたらいいのでしょう。
まず、大切なのは運転前の点検です。
エンジンを冷やすための冷却水の量は、LOWを下回らないように補充しておいてください。
下回ったままだと、この暑さの中、うまく冷やせずに故障につながります。
また、この時期、クーラーの使用などで、負荷がかかりやすいバッテリー。
古くなったバッテリーは上がりやすいため、製造から5年以上たっているものはご注意下さい。
さらに、普段から注意しておきたいのは、車をなるべく日陰に置くこと。
お出かけ先などでは、なるべく日陰に駐車してください。
運転後は5分~10分ほど、エンジンなどを冷やすためにボンネットを開けるのが効果的だそうです。
閉め忘れにはくれぐれもご注意ください。
まだ暑い日が続きます。
不意の故障が起きないよう、日頃からご注意ください。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月19日放送)