コロナ第7波拡大 「要介護高齢者」のホテル療養増加中 専用病床新設も入所待ち 新たに介護士滞在も“戸惑い” 4つのホテル掛け持ちの医師も…ギリギリの運営続く 2022年08月11日
新型コロナウイルスの感染拡大で定着してきた「ホテル療養」。
第7波になって、これまで受け入れが難しかった“介護が必要な高齢者”に特化した施設も現れました。その現状を取材しました。
【介護士】
「お食事お持ちしました。そこ座りましょうか」
大阪市内にある新型コロナに感染した人が療養するためのホテル。
第7波から変わったのは、「要介護」の療養者を受け入れ始めたことです。
【スマイルホテル新大阪 岩崎寛医師】
「重症度はそこまで高くないけど、介護が必要だよねっていう人たちがここの低層階に入っている。熱や酸素を測るって、認知症の方はできないので」
ホテルには医師や看護師のほか、第7波から新たに「介護士」が滞在し、食事の配膳やトイレ、入浴などを手伝います。
【介護士】
「おはようございます、失礼します。起きられます?」
【患者】
「起きれますよ」
【介護士】
「座っていただいて」
医療従事者と違い、介護士は感染症の病棟などで勤務した経験はなく、戸惑いもあるようです。
【介護士】
「初めて本格的なガウンを着て、レッドゾーンで働くっていうことには介護職としても慣れていないので。回数を重ねて慣れていっているっていうところです」
大阪府では、第6波の際に高齢者の感染が相次ぎましたが、“介護が必要な人”は通常の宿泊療養施設では受け入れができませんでした。
そのため、大阪府は、2施設・69床を介護が必要な人に特化したのです。
しかし感染拡大とともに、連日、最大数の受け入れが続き、この日は10人が“入所待ち”(8月5日時点)の状態でした。
【岩崎医師】
「『全然間に合ってないな』っていうのはあります。需要がすごい高まってるんで、さらに増やすかもしれないんですけど、ここも」
宿泊療養施設全体の稼働率も60パーセントを超えた一方、人手は不足しており、岩崎医師は4つのホテルを掛け持ちしています。
【岩崎医師】
「今ってどんな症状がありますか?」
【患者】
「え?ごめんね、私耳が遠い…」
【岩崎医師】
「分かりました。ゆっくり大きな声でしゃべりますので」
別のホテルで療養中の患者を、オンラインで診療することも。
【岩崎医師】
「今のところは“介護”の方で機能しているっていう感じですね。もっと感染が拡大して、大阪のベッドがひっ迫してきたら、酸素を吸う必要がある人も、ここで診ないといけない時期が来るかもしれないですけど」
第7波の収束まで、ぎりぎりでの運営が続きそうです。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月11日放送)