新型コロナウイルスの感染者の増加が続く中、気になるのが、オミクロン株に対応した新しいワクチンです。
今ワクチンを打っている人たちは、新しいワクチンの存在をどう見ているのでしょうか。
感染拡大に歯止めがかからない中、今、全国的にワクチン接種が伸び悩んでいます。
現在、全国でも3回目の接種を終えた人は6割あまり。
大阪・京都をはじめ、近畿2府4県はすべて全国水準を下回っています。
そんな中、京都市は…
【記者リポート】
「こちら予約なしで3回目の接種を受けられる会場なんですが、受付開始前に50人以上の人が列を作って待っています」
予約の要らない接種会場を設け、若い世代へのプッシュを始めました。(予約が要らないのは3回目のみ)
【高校3年生】
「受検もあるので、夏休みなので受けに来ようと」
【24歳】
「職場で必要になりまして。受けるつもりはなかったんですけど、予約なしということで来させてもらった」
【京都市医療衛生対策推進室 吉田就一担当部長】
「京都市としては、希望される全ての方をお受けできる体制を整えていますので、接種をお考えの方は、ご予約、事前予約なしの接種に来ていただくようにお願いします」
一方で、4回目接種を受ける人が気にしていたのが、オミクロン株に対応したワクチンです。
【4回目接種を受けに来た人】
「これ、もうちょっと遅いタイミングで4回目(接種)だったら、たぶん受けさせてもらえたということで、残念というか…」
8日にファイザーが、10日にはモデルナが、厚生労働省にワクチンの承認を求める申請をした、“オミクロン株対応”ワクチン。
承認されれば来月にも日本に輸入される見通しで、早ければ10月半ばから接種が始められることになります。
“オミクロン株対応ワクチン”とはどういったものなのでしょうか。
関西福祉大学の勝田吉彰教授に、気になるところを聞きました。
【質問1】
“オミクロン株対応ワクチン”は、2回目接種を終えた全ての人(18歳以上制限する可能性も)を接種対象とした『二価ワクチン』と呼ばれるものだということですが、『二価ワクチン』とはどういうものなのでしょうか?
【勝田教授】
「従来型の武漢株に対応する成分とオミクロン株の最初のタイプBA.1に対応する成分、2種類を組み合わせているので『二価ワクチン』となります」
【質問2】
オミクロン株BA.1に対して従来のワクチンとオミクロン株対応ワクチンの4回目接種時の抗体の量を比較すると、ファイザー製は1.56倍~1.97倍、モデルナ性は1.75倍というデータが得られました。
ただ、あくまでBA.1を想定して作られたワクチンということですが、現在主流のBA.5には効果があるのでしょうか?
【勝田教授】
「BA.5にも一定の効果が期待できます。私たちの体内には、『免疫記憶』という機能があります。これまでに何度か接種をして抗体を作ったことがある、という記憶です。抗体の数が減っても、その記憶を思い出して、また抗体を作ることができます。3回接種をした人は、ある程度、変異株に対して対応できるような抗体を作ることができます。また、BA.1とBA.5はどちらもオミクロン株で、比較的大きな差はないとヨーロッパの医薬品庁も見解を出しているので、一定の効果が期待できます」
【質問3】
早ければ10月半ばから接種開始ということですが、もうすぐ4回目接種を受ける予定がある、という方もいらっしゃいます。新しいワクチンを待った方がいいのでしょうか?
【勝田教授】
「3回目接種後、抗体は徐々に減っていきます。また、新しいワクチンを輸入してから打てるようになるまで、実際はどれくらいかかるか分かりません。もしかしたら冬を迎えてしまうかもしれないので、従来ワクチンでも打てるときに打った方がいいです。従来型でも、オミクロン株に効果はあります」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月10日放送)