空港のない街が航空会社とコラボ? 格安航空ピーチ×京丹後市がふるさと納税で地方創生に挑戦 「長寿」をテーマにしたその取り組みとは 2022年07月28日
田園風景が広がる、京都府京丹後市。
この街と「共同プロジェクト」を始めるのが、格安航空のピーチです。
空港のない街に飛行機が飛んでくる…といった話ではありません。
【ピーチ・アビエーション 森健明CEO】
「京丹後市のように、空港から遠く離れた地域の地域創生にチャレンジをしてまいります」
ピーチは7月28日に会見を開き、京丹後市などとタッグを組んで新たな「ふるさと納税の返礼品」を打ち出すことを発表しました。
返礼品は関西空港に到着するピーチの航空券と、京丹後市内での宿泊券がセットになったもので、8月中をめどに出品します。
しかしなぜ、ピーチはわざわざ空港のない街とタッグを組んだのでしょうか。
その理由を知るために、取材班は京丹後市に向かいました。
【記者リポート】
「京丹後市の琴引浜にやってきました。関西屈指の海水浴場なんですが、水が透き通っていてとてもきれいです」
自然豊かな京丹後市。
夏場は美しい海岸が海水浴客でにぎわい、冬場は温泉と地域ブランドの「間人(たいざ)ガニ」を楽しむことができるなど、観光資源が豊富な街です。
しかし、およそ93%が近畿圏からの観光客で、東京からは片道6時間かかる「最も遠い地域」とも言われるなど、新たな観光需要をどう生み出すのか課題を抱えています。
また、高齢化と過疎化といった地方ならではの課題もあります。
【記者リポート】
「しばらく市内を走っているのですが、人がまったく見当たりません…」
その一方で、京丹後市は日本屈指の長寿の街としても知られ、100歳以上の高齢者は126人と、人口の割合で全国平均のおよそ3倍にも上ります。
【95歳】
「元気の秘訣(ひけつ)は、きれいな空気を吸ってきれいな水を飲んで、好きなことができて働く、それだけですわ」
【78歳】
「わしは海眺めるのが(元気の秘訣)」
――Q:よく食べられるのは何ですか?
「ワカメ」
京都府立医科大学の調査によると、100歳代でも、60~70代の血管年齢を保っているそうで、地元産の海藻類や農産物といった食物繊維の豊富な食生活が長寿につながっているとしています。
そこに注目したのが、航空会社ピーチです。
「長寿」をテーマとした旅行プランを打ち出したいピーチと、地元をPRしたい京丹後市のメリットが一致し、今回の異色のタッグにつながりました。
【ピーチ・アビエーション 森健明CEO】
「時間がかかってでも行きたいと思えるような。このプロジェクトが成功するということになれば、日本中の空港から離れた地域の地方創生も可能になる」
空港と地方を結ぶ新たな取り組み。
地域経済の活性につながるかが、今後注目されます。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年7月28日放送)