新型コロナの感染者の増加が止まらない中、今年は行動制限がない夏になる見込みです。
観光業界にはどんな影響があるのでしょうか?
【記者リポート】
「大阪・梅田にあるPCR検査センターでは、暑い中、多くの人たちが検査を求めて並んでいます」
大阪市内のPCR検査センター。
列に並ぶ人たちに、検査を受ける理由を聞いてみると、帰省や旅行を予定しているという声が上がりました。
【法事で帰省予定の人】
「父が亡くなって、その法事がありまして、田舎に帰るので。今感染者が増えているので」
【アメリカに旅行予定の人】
「来月旅行があるんで、きちんと準備しておきたいなと思って」
新型コロナの感染者の増加が止まらない中、政府は人が集まる場所や飲食店に対し、時短や休業要請はしない方針で、今年は3年ぶりに“行動制限がない夏”になる見込みです。
観光地はどうなっているのでしょうか?
【記者リポート】
「白良浜海水浴場です。暑いです。テントがたくさんあって、人も大勢で活気があります」
和歌山県白浜町の白良浜海水浴場では、家族連れや夏休みに入った学生など、大勢の人たちが海水浴を楽しんでいました。
【親子連れ】
「大阪の海よりこっちの方がきれい。この子を海に連れて行ったことがなくて、ようやく連れて行こうと計画していた時にコロナが増えてきたんで、どうしようかとなったけど、まあ…」
【学生】
「高校生です」
――Q:学校はどう?
「リモートとか」
――Q:外遊びに行けず?
「そうですね、今日は遊んじゃおうと」
一見にぎわっているようにも見えますが、第7波の影響なのか、客足はまだ少ないようです。
【売店の店員】
「暇。(シーズン)最初は忙しかったんよ。3連休からコロナ増えて、がたっと客足減って…。さっきもお客さんが『コロナあるから早く帰ろう』と子供連れて帰った。大変や」
海水浴場にほど近いホテルでは、客足がコロナ前の8割ほどには回復したものの、思ったほど予約数が伸びていないといいます。
【HOTEL SEAMORE 林英紀 副総支配人】
「(客足が)もう少し戻ってくれるという感触があったぐらい雰囲気は変わってきていたんですけど。思ったほど伸びてくれないのが今の状況ですね。第7波は思っていたよりも影響が大きい」
夏休みを迎えたものの、コロナ前の活気にはまだまだ遠い観光地。
岸田首相は、7月26日時点で「行動制限は考えていない」としていますが、FNNの世論調査では「帰省も旅行もしない」と答えた人が68.8パーセントに上りました。
帰省・旅行には、本当に行っていいのでしょうか。
関西福祉大学の勝田吉彰教授は、「行くのは問題ないが、行った先でどういう行動を取るかが重要」と話します。
勝田教授に、「帰省」「イベント・夏祭り」「交通手段」について、注意点を聞きました。
【帰省】高齢者と会うときは必要最低限で
一番リスクの高い高齢者との接触は最低限にとどめて、もし、自分自身の体調にいつもと違うところがあれば、接触自体をしないようにしてください。
【イベント・夏祭り】イベント後の打ち上げ・飲み会に注意
イベント会場などでは十分な感染対策が取られているはずですが、そこから出た後の二次会などで感染する可能性があります。
「家に帰るまでがイベント」と考えるようにしてください。
【交通手段】さまざまなリスクあり。帰れなくなる可能性も
離島での滞在時に発症し、ホテルが満室で延泊できず、飛行機やフェリーなどの交通機関にも乗れず立ち往生してしまったという例がSNSなどで報告され始めています。
「現地で発症した場合にどうするか」を、考えておく必要があります。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年7月26日放送)