7月に入って急増した、新型コロナの感染者。
医師が「第7波に入った」と語る医療現場を、取材しました。
大阪・生野区にある葛西医院。
通常の診察と並行して行う発熱外来には、先週から検査を希望する患者が急増しています。
【医師】
「ご友人の方が土曜日に陽性になったと伺ったんですが」
【20代男性】
「遊びに行ってました」
一緒に過ごした友人の感染が分かった3日後、発熱症状が出たという20代の男性。
検査の結果は陽性でした。
第7波は従来のオミクロン株BA.2からBA.5へとウイルスの置き換わりが進み、感染を広げているとみられます。
現在、60%がすでにBA.5へ置き換わっているという大阪府では、7月20日、新たにおよそ2万2000人が感染し、過去最多を更新しました。
70代の女性は、一緒に食事をしたという孫が感染していたことが分かり、急きょ診察に訪れました。
酸素濃度を測ると…
【医師】
「低いな。93って出るねんけど、93やったら入院適応なんですよ」
結果は陽性で、中等症に値するため、入院することになりました。
葛西医院では、7月20日に検査をした12人のうち、8人が陽性でした。
【葛西医院 小林正宜医師】
「陽性率はかなり高いですね。昨日は今までで一番発熱の電話が多くて、かなり枠を設定したけど一杯になってしまって断らざるを得ない状況でした。入り口に来たという心構えではなくて、もう第7波の真っ最中だと思っていただいた方がいいかと思います」
直接診察に来る患者だけでなく、自宅療養者も増えています。
【小林医師】
「昨日よりだいぶマシです?」
【80代男性】
「そうやね、昨日は唾飲んでも痛いし、一回せきしたらもう止まらんでしょ。喉が痛くて痛くてね…」
小林医師は、通常の診察の合間に、自宅療養者の往診にも行っています。
この日訪れたのは、陽性の診断を受けたひとり暮らしの20代の男性。
男性に持病はないとのことですが、ワクチン接種は一度も受けていないといいます。
【20代男性】
「40℃、39℃とかをいったりきたりしてて…」
【小林医師】
「咳は1回出だしたら止まらない?」
【20代男性】
「そうですね、結構たんが絡んだせきが出る」
【小林医師】
「食事できてますか?」
【20代男性】
「食べてないです」
【小林医師】
「水分とれてます?」
【20代男性】
「いや、1口2口くらいしか…」
【小林医師】
「喉痛くて飲めない?」
【20代男性】
「(うなずく)」
発熱やせきに加え、特に喉の痛みを訴えますが、BA.5の症状の特徴なのでしょうか。
【小林医師】
「BA.5でも喉の痛みを訴える患者さんが多いんですが、その他にせきが強いとか、高熱がある、もしくは動いたら息がしんどくなるとか、様々な症状が出てくるのがBA.5なのかなと思っています」
小林医師によると、若い世代でもワクチンを打っていないと症状が強く出る傾向があるといい、特に高齢者や基礎疾患のある人は、これまでと同様に気を付けてほしいと話しています。
【小林医師】
「感染拡大しているからといって、みなさんの生活を自粛してもらうというのはイコールではないと思ってます。しっかりとした手洗いや人のいるところでのマスクの着用、基本的なことを守っていただきながら、高齢者の方、基礎疾患をお持ちの方に感染がいかないような工夫をしていく」
過去最多の感染者となりつつある第7波、効果的な対策が求められています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年7月20日放送)