夢や希望にチャレンジする姿を大人代表として、子供たちに見せたい!と、元Jリーガーが、現役を引退した後のセカンドキャリアとして、「滋賀県に初のJリーグチームを作りたい」という壮大な夢に挑戦しています。
■「夢は叶う!」 元Jリーガーが描く壮大な夢 滋賀県の学校を回って”超ポジティブな授業“
6月、滋賀県野洲市の小学校で、“超ポジティブ”な授業が行われていました。
【ヴィアベンテン滋賀・村田和哉さん】
「夢っていうのはさ、叶うものです!人生は良い方向にしか進まないっていうことです」
熱く児童に話しているのは、滋賀県守山市出身で、野洲高校の時には全国優勝を経験し、セレッソ大阪や、清水エスパルスなどで活躍した元“バリバリ”のJリーガー・村田和哉さん。
2021年に現役引退した後、滋賀県の学校を回り続けている村田さん。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「夢ない人、全然問題ないです。夢なんて今なくていいよ。でも、好きなこと、得意なこと楽しいことを見つけてください。それが夢に変わる日が来ます」
村田さんの授業のテーマは、”夢は叶う”。
そんな話をする村田さん自身も、子供たちに自身の夢を語っています。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「滋賀県にJリーグを作りたいという夢を持っています!めちゃくちゃ大きな夢です。”ヴィアベンテン滋賀”っていうチームを作りました。『ヴィアベンテン滋賀!』これ(ノートに)書いて下さい、これ書かな!」
■滋賀県にJリーグチームを!引退後、すぐに取り掛かったチーム作り。果てしない道のり・・・
Jリーグを引退後、村田さんはすぐに”新しいチーム”作りに取り掛かりました。
部屋に集められ、選んだ20人の選手たちを見て、村田さんは「やばいな、ヤンキー集団みたいになってきたな。大丈夫かこれ」と笑いながら言いました。
Jリーグチームを5つ渡り歩いた村田さんは、それぞれのチームが、地元を盛り上げる役割を担っていることを感じ、故郷・滋賀県にも“Jリーグチームを作りたい!”と強く思いました。
琵琶湖と、琵琶湖に縁の深い「弁財天」から「ヴィアベンテン」と名付けたチームで、滋賀県に住む選手と「滋賀県でJリーグチームをつくる」という夢への挑戦を始めました。
とはいえ、Jリーグチームになるまでには、果てしなく遠い道のりが待っています。
ヴィアベンテンが、Jリーグを目指すには、アマチュアの一番下の滋賀県社会人サッカーリーグの中で、最下層である3部リーグからスタートする必要があり、ここから毎年すべてのリーグで優勝したとしても最短で6年かかります。
そんな困難な状況にもかかわらず、選手の募集には50人の応募があり、その内の20人が選ばれました。
選手を選ぶ”基準”は、もちろんサッカーか上手いかどうかも大事ですが、それだけではありません。
例えば、「励ましてくれた子供たちに恩返しをしたい」と、両足に大けがをした学童保育職員の選手も入団しました。
また、海外のプロリーグから帰国した選手は、”忘れていたサッカーへの情熱”を取り戻しました。
それぞれ強い思いを抱き、入団したヴィアベンテンの一期生ですが、全員に共通するのはJリーグを目指すという「本気」の気持ちです。
■まず、チーム「ヴィアベンテン」を知ってもらおう!・・・練習も大事だが、社会活動も重視
Jリーグに昇格するために、明けても暮れても練習漬けの日々・・・かと思ったら、そこが違うのがヴィアベンテン流です。
7月1日の琵琶湖の日には、地元の企業に混じって清掃活動に参加しました。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「お、もっと行けよ、奥まで。運動能力生かして」
村田さんは、練習よりも、まずヴィアベンテン滋賀を知ってもらうことが大事だと考えてるからです。
活動を続けていることで、夢の後押しをする企業も現れています。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「なんか面白いでしょ。別に何でもないのに、(ユニホームに)スポンサー入っていたり。よう考えたら3部(リーグ)やで」
村田さんは、最も”大切なファン”という土台を作って、滋賀県を将来ずーっと盛り上げていきたいと思っています。
また、別のファンイベントでも、一人一人のファンにサインしながら話す村田さん。
【ヴィアベンテン滋賀 村田和哉さん】
「ぜひこれからも応援してください。若い力で頑張りますので」
【女性】
「すごい良いことや。良いこと聞いたな。応援します陰ながらエネルギーもらえるし」
楽しみながら、壮大な夢へ一歩ずつ着実に前に進んでいく。
【ヴィアベンテン滋賀・村田和哉さん】
「子供たちの夢や希望が、ほとんどない世の中になっちゃったと思った。これ何でかなと思っていた。夢を持つ大人が少なすぎたのかなと思った。世の中的に。壮大な夢にチャレンジする姿を、子供たちもそうですし、滋賀県民の大人たちに見せて、あいつなんかイキイキしているなと、あいつ元気にやっとんなと、姿勢を大人代表として見せたい」
■滋賀リーグデビュー戦 県3部リーグの試合に異例の50人以上の観客が!
6月の滋賀県リーグデビュー戦では、村田さんのJリーグ時代からのサポーターをはじめ、50人以上の観客が集まりました。
県3部リーグとしては異例の50人以上の観客です。
そして、キックオフ!
監督の村田さんも、選手としてピッチに立ち、ヴィアベンテン滋賀は試合開始直後から怒涛のゴールラッシュ!
しかし、村田さんは、選手たちに一切の妥協を許しませんでした。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「相手関係ない、自分らがやるかどうかや。もっと行くもっと行く」
村田さんがげきを飛ばします。
その妥協をしない姿勢は、チーム全体に広がりました。
【ゴールキーパー・三品翔平選手】
「せっかく開幕戦であんなにお客さん来てくれてんねんから、もっと点取りに行こう!前から!前から!前から!やめない!やめない!」
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「自分たちが攻めに行く、勝ちたい、うまくなりたいその気持ちが人を魅了すると思っていて、その姿を見せて見せて滋賀県を盛り上げていく。ひたむきにプレーする、その姿勢が、ファンになる可能性もあるし、次の試合も見たいと思われるような、そういうチームにしたいと思っていたので」
26-0で試合に勝ちました。
村田さんは、観客たちに向かって、自身の思いを語ります。
【ヴィアベンテン滋賀・村田さん】
「半年前、1年前、ユニフォームもなければチーム名もなければ選手もいなかった。
必ず滋賀県にJリーグできます!そこにいる子供たち将来Jリーグの8番付けますよ。
そういう時代が来ます。でもこの人たちがいなければその歴史は始まらないです。
だからもしよかったらこれからも追いかけてください!」
来てくれたファンや観客たちと「ヴィアベンテン!滋賀!」と声をあげながら写真撮影しました。
滋賀県3部リーグのサッカーチームが見据える壮大な夢。
待ち受けるであろう多くの壁に挑み、”滋賀にJリーグチームを作る”という夢を必ず叶えます。
(2022年7月12日放送)