7月10日投開票の参議院議員選挙。
兵庫選挙区では、過去最多となる13人が立候補しています。
3つの枠をめぐって、熾烈な争いを繰り広げています。
■「身を切る改革」を進め、教育や出産費用の無償化を実現へ・・・日本維新の会・片山大介候補
パソコンに向かってSNSをしているのは、現職で日本維新の会の片山大介(かたやまだいすけ)候補(55)。
【現職・日本維新の会・片山候補】
「SNSで広く皆さんに自分の考えを届けるのは大切なんでね。忙しくてもやっています」
国会では、プレジャーボートの危険運転に罰則を設ける法案の提出に尽力するなど、20年以上NHKの記者として働いた経験から「現場の声」を政治に反映させたいと考えています。
【現職・日本維新の会・片山候補】
「外から指摘して社会を変えるというやり方よりも、自分が政治家になって、政治の世界に飛び込んで、政治を自分で変えていったほうがやっぱり効果があるんじゃないかという風に思って、政治家を選んだ。まだまだやり残したことや、やりたいことがあるし、まだまだ社会に奉仕していきたいなと思います」
今回の選挙戦では「身を切る改革」を進めることで教育や出産費用の無償化などを訴えている片山候補。
「政策を載せたビラにはこだわった」と話します。
【現職・日本維新の会・片山候補】
「まず、兵庫の未来を見るような感じで水平線にして、これが神戸の空なんですね。私ビートルズのファンなんで、ポートタワーの前でちょっとビートルズ歩きをしたりとか」
片山さんは、国会のあり方を変え、兵庫から日本を元気にしたいと訴えます。
【現職・日本維新の会・片山候補】
「国会自身が自分たちに緩い制度を作っている。だから我々維新は政治と政治家のあり方を変える。大きく日本を変えるその発信を、兵庫県からやっていきたい」
■障害の有無かかわらず全ての子どもたちの可能性引き出す教育を・・・自民党・末松信介候補
【現職・自民党・末松信介(すえまつしんすけ)候補(66)】
「感染症問題、ウクライナの問題、燃料の問題、食料の問題、数々の問題を抱えているけれども、いま求められるのは果敢に決断と実行していく大きな力であると思う」
岸田政権のもと文部科学大臣に就任し、学校でのマスク着用を緩和する方針を示すなど、生活に直結する政治運営に携わってきた自民党の現職・末松候補。
兵庫県では、去年の衆院選で維新が、比例票を一番多く獲得し勢いに乗っている中、応援に来た自民党の議員からは、”打倒維新”を意識した発言が多く上がります。
【自民党・世耕弘成参議院議員】
「なんとかトップで当選してほしい。大臣なんですから。現職大臣がトップで当選しないでどうするんですか」
【自民党・西村康稔衆議院議員】
「4度目の挑戦、圧倒的な勝利をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます」
ただ本人はあくまでも“当選を目指す”として、必死の訴えを続けます。
自民党・小泉進次郎衆議院議員も応援に駆け付けました。
末松候補は、一緒に選挙区を回っている女性を小泉議員に紹介しました。
【現職・自民党・末松候補】
「うちの娘なんですよ」
【自民党・小泉進次郎衆議院議員】
「じゃあ若者に広げてよ。今SNS大事だから」
末松候補のそばでサポートをしているのは、秘書を務める娘の真帆(まほ)さん。
3人の子供がいる末松候補は、今年「ベスト・ファーザー賞in関西」を受賞しました。
–Q:ベストファーザー賞を受賞しましたが?
【娘・真帆さん】
「父親はちょっと娘に甘いところはあります。大臣になってからよりいっそう忙しくなって夜中まで仕事することも増えたので。それでも手を抜かずに仕事に真摯に取り組んでいる姿を見てすごく尊敬します」
末松候補は、「教育は国の礎」として、障害の有無に関わらず全ての子どもたちの可能性を引き出す教育を目指すと訴えます。
【現職・自民党・末松候補】
「いかなる条件であっても、教育の格差が生じるのは好ましくない。経済格差が、学力の差につながらないようにするのが私の1つの願いです」
■ヤングケアラーへの支援強化などで”誰ひとり取り残さない社会“の実現を・・・公明党・伊藤孝江候補
朝からあいさつに回り、これまでの実績や自身の思いを伝えているのは、公明党の現職・伊藤孝江(いとうたかえ)候補(54)。
【現職・公明党・伊藤候補】
「しっかりと生活を守る、家計を守るということにも挑戦していきます。私たち公明党は、生活者の視点をこれまでも政治の中で大切にしてきました。その思いを変えずに頑張っていきたいと思っています」
車内で弁当をひろげる伊藤候補。
–Q:選挙戦は車の中で食べることも多い?
【現職・公明党・伊藤候補】
「お昼はほぼ車ですね。時間がなかなかなかったりするのと、着替えも含めて色んな準備もあるので」
兵庫選挙区は公明党が「最重点区」と位置付け、”常勝関西”の看板を守るために、公明党・山口代表も何度も兵庫入りするなど、党の幹部が連日応援に駆け付けます。
【公明党・山口那津男代表】
「この兵庫、全国屈指の最激戦区。伊藤孝江、伊藤孝江どうか皆さん勝たせてください。押し上げてください、働かせてください」
伊藤候補は、ヤングケアラーへの支援強化などで「誰ひとり取り残さない社会の実現を目指す」と訴えています。
さらに推薦を出す自民党から、菅前首相や河野議員など大物議員が応援に駆けつけました。
【自民党・河野太郎衆議院議員】
「『ワクチン来たけど打ち手がいない、何とかしてくれ』と町長から伊藤孝江さんのところにそういう話が入った。伊藤孝江さんが、地域の声を吸い上げて、しっかりと政府に届けてくれたからこそ、ワクチン接種のスピードが上がったわけで。本当に感謝しています」
【現職・公明党・伊藤候補】
「意気込みはただ一つ、7月10日しっかりと勝たせて頂く。議席を勝ち取らせて頂いて支援いただいたみなさま、兵庫の皆さんのためにしっかりと働かせて頂きたい」
■子育てや介護、医療の充実を図り安心して暮らせる社会を・・・立憲民主党・相崎佐和子候補
【新人・立憲民主党・相崎佐和子(あいざきさわこ)候補(49)】
「国に声を上げて国を変えて私たちがしんどい思いや、大変な状況を抱えることがないように安心して暮らしていける社会を国で作っていきたいんだ」
立憲民主党の新人・相崎候補は、伊丹市議会と兵庫県議会の議員をあわせて15年間務め、市議会では議長も経験しました。
高校生と中学生の娘2人を育てる相崎候補。
娘が事務所で勉強しています。
【新人・立憲民主党・相崎候補】
「自習しに事務所に来ている。割と集中できると思うよ」
–Q:どんなお母さんですか?
【相崎候補の長女・姫乃さん】
「すごい努力家で優しいお母さん」
【新人・立憲民主党・相崎候補】
「元々はこの子を出産した時に、仕事の契約を切られてしまったことがあって。それが政治家を目指したきっかけです。私は出産だったけど、色々なケースでしんどい思いや大変な状況を抱えている人っていっぱいいるのではないかと思って。そんな社会を変えていくと強く思いましたね」
相崎候補は、兵庫県内をくまなく回り、子育てや介護、医療の充実を図って、安心して暮らせる社会をつくると訴えます。
【新人・立憲民主党・相崎候補】
「国が変わらないとなかなか改善しないこともすごくたくさんある。これまで聞いた声を活かして、その声を他の誰でもない私たちの声を国に届けて叶えてよりよい社会をつくっていきたいと強く思っています」
■最低賃金1500円に引き上げや給付型奨学金の拡充などを実現したい・・・共産党・小村潤候補
【新人・共産党・小村潤(こむらじゅん)候補(46)】
「ありがとうございます、元気出ました!」
【支援に来た女性】
「熱い中お疲れ様です!」
暑い中、外であいさつ回りをしているのは、共産党の新人・小村候補。
政治家を目指すまでは、美術の非常勤講師などを務め、インドネシアのバリ舞踊に打ち込んでいました。
舞踊衣装を着てメイクした写真を見せてくれた小村候補。
【新人・共産党・小村候補】
「こういう感じでメイクをして衣装着けて動画を撮った。経済的に余裕がなかったので趣味を仕事にしないと続けられないこともあった」
3人の子供を育てるために、一時期は6つの非正規雇用の仕事をしていた経験などから、”最低賃金を1500円”に引き上げることや“給付型奨学金の拡充”などを実現したいと訴えます。
【新人・共産党・小村候補】
「政治に関心をむけられないほどに、余裕のない暮らしを強いられている。そのことを変えていきたい。お金の心配なく子供を産み育てることができる国を私はつくりたいんです」
また、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、防衛費の増額など様々な議論が繰り広げられる中、小村候補は「憲法9条を生かした平和外交」の必要性を訴えています。
【新人・共産党・小村候補】
「戦争だけは絶対あかんという声は強くいただいている。憲法と平和の話をしているときに皆さんビラをたくさん受け取ってくれる反応もあったので。平和を願う皆さんの気持ちを寄せて頂きたい」
■NHK党、諸派からも
また、NHK党からは、いずれも新人の速水肇さん、山崎藍子さん、中曽千鶴子さん3人が立候補しています。
【新人・NHK党・速水肇(はやみずはじめ)候補(37)】
「スポーツの推進を僕はやっていきたい。みんながスポーツをして健康になる社会を目指す」
【新人・NHK党・山崎藍子(やまざきあいこ)候補(37)】
「もっと女性の声が届く政治にしていきたい。私がその中に飛び込むことで政治に目をむける女性を増やしたい、他人事だと思ってほしくないです」
【新人・NHK党・中曽千鶴子(なかそちづこ)候補(60)】
「我々は正義の党です。苦しむ人を救う。NHK受信料を支払わない人を守る、拉致被害者を守る」
過去最多の13人が立候補し、熾烈な争いを繰り広げている兵庫選挙区。
3つの席に座るのは誰になるのでしょうか。
投開票日は7月10日です。
(2022年7月6日放送)