トラブルが多発している繁華街での客引きについて、大阪府は、7月1日から規制を強化します。
なぜ悪質な客引きが横行しているのか、夜の街を取材しました。
6月24日、大阪の観光名所ミナミの戎橋。
店の名前が書かれたプレートを首から下げ、さまざまなコスプレをした客引きたちが、ずらりと並んでいます。
夜、記者が通りを歩いてみると…
【客引き】
「ガールズバーどうですか?」
――Q:ガールズバーとかの案内所ってことですか?
「そこら辺の案内所にある店はだいたい持ってますよ」
――Q:ガールズバーの客引きは駄目になると聞きましたけど
「7月からですよね」
――Q:7月からどうするんですか?
「ほそぼそと消えていく。何とかなるっす」
客引きが次々と声をかけてきました。
このような状況に、街の人は…
【街の人】
「生きる糧とは言え、ちょっとひどすぎるんじゃないかなと。商売だし、食っていかないといけない気持ちは分かるけど」
「邪魔。友達と歩いていても割って入ってこられるから」
地元の商店街から苦情が相次いでいることなどから、大阪府は府の迷惑防止条例を改正し、7月1日から客引きに対する規制を強化します。
今までも、キャバクラやホストクラブなど、接待を伴う飲食店による客引きは禁止されていました。
しかし、さまざまな業態の店が増え、現行の条例では取り締まることができなくなっていたのです。
7月1日からは酒類を提供している店のうち、「ガールズバーなど異性に対して好奇心をそそるような方法で接客する店」についても客引きを禁止します。
店はなぜ客引きをするのでしょうか? 以前、客引きをしていたという女性は…
【客引きをしていた女性】
「ここでちょうどやってた。『とりあえず客を捕まえてきて』って言われて。売り上げを上げるために、それ(捕まえた客数)が給料になるみたいな。歩合制」
女性店員がコスプレをして接客を行う店のオーナーは「客引きが店の売り上げに直結する」と話します。
【コスプレで接客する店のオーナー】
「無理な客引きをしているわけではなくて、ビラをもって外に立っていて、話しかけられたら会話する程度しかしていないので。それくらいは許してほしいなと思います」
同じ日、ミナミでは、警察や大阪市の指導員による条例改正の周知活動も行われていました。
【警察官】
「厳しくなっているから気をつけて」
周知活動の際に、警察に声をかけられた男性は…
【客引きをしていた男性】
――Q:条例改正あるの知ってた?
「知ってました」
――Q:対策は?
「してないです、僕ら関係ないんで。僕らは居酒屋(の客引き)」
――Q:ガールズバーとかしてない?
「やってないです、怖いんで」
数日後、同じ場所を記者が歩くと、再びこの男性と遭遇しましたが…
【客引きをしていた男性】
「案内所とかお姉ちゃん系大丈夫ですか?」
――Q:やってるんですか?
「やってるんですよ!」
警察は、ガールズバーから「ダイニングバー」などに名称を変えて営業する店が増えるのではないかと警戒。
実態を見極めて、取り締まりをしていく方針です。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年6月30日放送)