積乱雲が急激に発達し続け、同じ地域に大雨を降らせる「線状降水帯」。
これまでも各地で大きな被害をもたらしてきたこの現象について、気象庁が6月1日から新たな予測を始めます。
線状降水帯による大雨の可能性が高まった場合、半日前(12時間前)から6時間前に予測情報を出すというものです。
つまり、線状降水帯が発生する前段階の情報になります。
これまで気象庁は、「顕著な大雨に関する気象情報」として、「線状降水帯が発生した」という情報を速報で伝えてきました。
線状降水帯は発生の予測が非常に難しい現象ですが、雨のもととなる水蒸気の観測を強化し、スーパーコンピューター「富岳」などを活用することで、発生する前の予報が実現したということです。
気象庁が発表した今回のポイントは、次の3つです。
・11の地方予報区ごとに発表
例「近畿地方では●日未明から明け方にかけて線状降水帯が発生し、大雨となる恐れがあります」
・予測精度は不十分
的中率は4回に1回。ただ、予報が出れば、大雨となる確率は6割ほど
・今後、範囲を狭めていく方針
2024年度には都道府県単位、2029年度には市町村単位と、対象地域を狭める計画
今回の予報について気象庁は、「未明や明け方に大雨となる前に呼び掛けることができるので、住民には避難行動をする前の心構えを持ってもらえる。また、自治体には、避難所開設の準備など早期の対策につながる」としています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年5月30日放送)