兵庫県が、北朝鮮による拉致問題を紹介する動画を高校生たちと共に制作しました。
若い世代にも広く知ってもらおうと、ミニドラマ仕立てになっています。
出演するのは、兵庫県立東播磨高校放送部、略して「HBC」の部員たち。
全国大会でも名の知れた強豪です。
【読み合わせをする部員たち】
「『拉致問題を次回作のテーマとして提案してみようよ』…」
「あー、1個覚えたら1個抜けんねん、日本史と一緒」
ドラマの舞台も県立高校の放送部です。
物語は、部長役の生徒が「拉致問題をテーマにした映像作品を作ろう」と会議で提案するところから始まります。
【ミニドラマの一場面】
『拉致問題ってもうだいぶ前の出来事だから、関心を持って番組を見てもらえるかどうか…』
『でも拉致された被害者やそのご家族は何も悪いことしてないのに、楽しいことを一瞬にして奪われたんだよ』
部員たちは、兵庫県が開いたシンポジウムにも参加しました。
【拉致された恵子さんの父・有本明弘さん(93)】
「恵子の母・嘉代子は、恵子に会うことができず94歳で亡くなり…私はあと何年生きられるか分かりませんが、家内の分まで生きて、この結末を見届けたいと思っています」
ミニドラマは、拉致被害者家族の話を聴いて、官房長官への突撃取材もしながら、拉致問題について学んでいくストーリーです。
放送部の部員たちも、慣れない言葉の長ゼリフに悪戦苦闘の連続。
納得がいくまで演技を重ねて、無事、撮影が終わりました。
【ドラマの部員役 福田圭芳さん】
「拉致問題って学校でもあんまり取り扱われない内容だったりして、自分で調べてみたりもしたんですけど、本当に知らないことが多くて。これからもっと知っていけたらいいなと思いました」
【ドラマの部長役 山本祐実さん】
「見ている人たちも登場人物と同じように、最初はあまり身近に感じてなかったり、あまり知らなかったりするかもしれないけど、このドラマを見終わった後には、自分たちも何ができるかなって考えてもらいたいなと思います」
作成したミニドラマ「私たちにできることー拉致問題の解決を願ってー」は、兵庫県の公式動画サイト「ひょうごチャンネル」などで公開され、教育現場でも活用されるということです。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年5月3日放送)