ウクライナから日本に避難してきた人は600人を超えました。
滋賀県に避難している親子が取材に応じてくれました。
■8歳の男の子「パパに会いたい」
8歳のマークくん。母のイリーナさんと祖母と一緒に、滋賀県に避難してきました。
滋賀県に住む、イリーナさんの姉の家族のもとに、身を寄せています。
日本での生活をはじめて、2週間になります。お父さんは、ウクライナに残ったままです。
【マークくん】
「パパに会いたい」
一家が住んでいたのは、ロシア軍の砲撃を受けたザポリージャ原発、北西の町・クリビリフ。恐怖を感じて、避難を決めました。
18歳から60歳までの男性は国外に出られないため、家族は離れ離れになりました。
【イリーナさん】
「とてもつらいです。ウクライナのことばかり考えています」
「家族が残っていますし、いつもニュースを確認しています」
飛び乗った列車では、十分に座ることもできず、ミサイルを感知するたびに、車内の明かりも消されました。
住んでいた町を出て1カ月。ポーランドを経由し、一家は日本にやってきました。
【イリーナさんの姉】
「イリーナが来てからウクライナ料理を作ったりとか、ウクライナ風の味付けをしているから、懐かしくておいしい」
「マークもボルシチが大好きで、きのうはイリーナが作っていたので、すごくおいしくてみんな完食しました」
■日本の対応には感謝も…戸惑う異国での生活
日本語はまったく分からず、異国での生活に、戸惑うこともあります。
姉の夫婦は共働きのため、イリーナさんたちだけで外に出ることもありますが、いつも不安がつきまといます。
【イリーナさん】
「地理も日本語も分かりません」
「まだ携帯電話もないので、ネットも使えず、地図をみることもできません」
滋賀県が行っている募金から生活費の補助を受けたり、フードバンクから食材を提供してもらったりと、日本の対応には、とても感謝しているというイリーナさん。
今後は日本語を勉強して、仕事も始めたいと思っています。
小学2年生のマークくんも、日本の小学校に行く予定です。
【マークくん】
「早く(学校に)行きたい」
【イリーナさん】
「戦争が終わってほしい。そうすればウクライナに帰れますし、ウクライナを立て直すことができます」
日本での生活に適応しようと、歩み始めた家族。
ただ、心の中にはいつもウクライナがあります。
■受け入れどうする? 教育は
ウクライナから日本へ避難してきた人は、17日時点で661人となっています。
文部科学省は18日付で、自治体に対し、「避難した子どもの教育機会確保が必要だ。各学校で積極的な受け入れを」との通知を出しました。
大阪市に小学校での受け入れ体制を聞きました。
自治体、市教委、家族で話し合い、原則、公立学校で受け入れることになります。
また、入学前、「プレクラス」を50時間実施し、学校生活で使う言葉や、日常生活で最低限必要となる「サバイバル言語」を学ぶということです。
さらに、入学後のケアについては、週2回日本語習得の授業を実施するほか、翻訳機器を使っての会話も行うということです。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年4月19日放送)