シカさんにドングリを届けたい。
大人顔負けの行動力で願いをかなえた４歳の女の子の大冒険です。
ちょっぴりおてんばで、ちょっぴりいたずら好きな女の子。
奈良県大淀町の保育園に通う木谷凪ちゃん（４）
なぎちゃんが今はまっているのが…
【なぎちゃん】
「どんぐりいっぱいあるここに～！」
それは、ドングリ拾い。
保育園の帰り道やお休みの日に、お母さんと双子のお兄ちゃんと一緒にドングリをたくさん拾います。
【なぎちゃんの母 莉世さん】
「お休みの日に公園行ったりして…」
【なぎちゃん】
「ドングリ拾ってるー！」
なぎちゃんにはドングリを届けたい相手がいました。
ーーＱ：誰にドングリあげるん？
【なぎちゃん】
「ちかさん」
【母・莉世さん】
「ちかちゃん？」
【なぎちゃん】
「ちゃう！ちかさーん！」
サ行を練習中のなぎちゃん。チカさんはシカさんのことです。
病気や事故で治療をしている奈良公園のシカさんに届けるために保育園のお友だちも一緒になって拾いました。
集まったドングリはぜんぶで２０キロに！
なぎちゃんは鹿に会えるのを楽しみにしていました。
しかし…
【担任の先生】
「事務所に（ドングリを）持って行った時に、（なぎちゃんの）ひまわりさん組は行かれへんってなってんな」
奈良公園に行くのは、年長さんと年中さんだけで、年少さんのなぎちゃんは”園でお留守番”と言われてしまいました。
そこでなぎちゃん。
担任の先生と一緒に園長先生の部屋を訪れ直談判。
「シカさんのところに行きたいです」とお願いしました。
【延明保育園 上山鈴子園長】
「ドングリを持って来て、『私たちも行きたいです』って言いに来たん覚えてる？」
【なぎちゃん】
「覚えてない～！」
【延明保育園 上山鈴子園長】
「『お金がないから無理です』って言ったのは覚えてます」
保育園のみんなで、バスに乗って奈良公園に行くには「園の予算が足りない」と言われてしまったのです。
でも、なぎちゃんはまだ諦めませんでした。
保育園のお友達と話し合い、自分たちでお金を稼ごうと決めたのです。
保育園が開くマルシェで、松ぼっくりで作ったクリスマスツリーや農園で掘ったサツマイモを一生懸命売りました。
すると…２万円も売り上げる大盛況！
バスの費用には届きませんでしたが、園長先生は子どもたちの頑張りに驚き、残りは園の予算から出すことにしました。
これで、やっとシカさんに会いに行けることになりました。
ーーＱ：シカさんに会いに行けるってきいてどう思った？
【なぎちゃん】
「うれちかった！」
そして待ちに待った遠足の日。
シカさんのもとへいざ出発です！
【なぎちゃん】
「お弁当た～べたい！お弁当た～べたい！」
なぎちゃん、シカさんに会う前にお腹がペコペコに。
およそ２時間バスにゆられ…ようやく奈良公園に到着！
【担任の先生】
「めっちゃシカさんいてんで～！」
【なぎちゃん】
「あそこにもおる～！」
なぎちゃん、シカを目の前にすると…
【なぎちゃん】
「こんにちは」
きちんとシカさんにご挨拶。
しかし…
【担任の先生】
「なぎちゃん、ちょっと待ってな」
【鹿苑の担当者】
「ドングリあげる前に説明聞いてもらってもいい？」
なぎちゃん、説明を受ける前に思わずフライングしてしまいました。
ドングリをあげるときは筒の上にのせて。
【担任の先生】
「食べてくれた？」
【なぎちゃん】
「全部食べた」
【担任の先生】
「よかったや～ん」
【延明保育園 上山鈴子園長】
「子供たちって考えられるし、いかに大人が上手に拾ってあげられるか。まさか彼女がキッカケで、ここまでなるとは思ってなかったんですけど、この笑顔が見れてよかったと思います」
【なぎちゃん】
「楽しかった」
ーーＱ：またドングリ集める？
「うん。また持って行く」
ーーＱ：誰んとこ持って行く？
「ちかさん！」
なぎちゃんの優しい思いは、シカさんにもし～っかり届いています。
（2022年3月29日放送）
