大阪・関西万博の会場となる夢洲で、一部の道路の封鎖が計画されていることが関西テレビの取材で分かりました。
その理由は、週末の夜に繰り広げられる「危険な運転」です。
■カメラの目の前で事故 火花散らして暴走
2月11日の金曜日、午後11時過ぎ。夢洲を訪れると、道路でドリフト走行を繰り返す車が。
車から降りて見物する人の姿もありました。さらに…
【記者リポート】
「事故が起きました。すごい爆発音が…爆発音が聞こえてきました」
路肩に乗り上げてバランスを崩した車が、火花を散らしてガードレールに突っ込む事故が発生。運転手にケガはなかったということです。
近くで働く人に話を聞くと…
【近くで働く人】
――Q:事故多いんですね?
「もう多いです。しょっちゅうです。しょっちゅう」
――Q:スピード出してる車とか?
「もうしょっちゅう!もうそんなん、バイクやったらもっとスピード出ている。F1レースしてるみたい。ビューン!ビューン!と音がすごい。見えないぐらい(スピード)出てる」
■一般道のような速度規制なく…危険運転が横行
2025年の大阪・関西万博の会場となる夢洲。
現在は、新しい駅を作る工事などが行われていますが、週末の夜に車が集まってくるのは、コンテナターミナルに沿った、およそ1キロメートルの直線道路です。
このエリアでは、数年前から週末の夜に危険な運転が横行。集まってくるのは、10代から20代の若者が多く、SNSで呼びかけあっている様子も確認できました。
2018年には、ウイリー走行するバイクが止まっていた車に接触し、運転していた26歳の男性が死亡する事故も起きています。
大阪市も手をこまねいているわけではありません。
ドリフト走行対策として、道路に溝を作って走りにくくしたり、注意を呼び掛ける看板を立てたりと対策をとってきたのですが、もともと港湾の関係者が利用するための道路であることから、一般道のような速度制限がないのです。
ドリフト走行などは、道路交通法違反に当たる可能性がありますが、現行犯逮捕が原則。警察の姿が見えると車は危険な運転を控えるため「イタチごっこ」の状態が続いているのです。
2月11日に起きた事故は、けが人もなく物損事故として処理され、運転手は注意を受けるにとどまりました。
■大阪市は一部道路を封鎖へ 若者は「困るっすね」
そこで大阪市は、週末の夜に警備員を配置するための費用を来年度の予算案に盛り込み、道路を実質的に封鎖する方針を固めました。
可決されれば、コンテナ車両など関係車両以外は問題の道路に通さない通行規制が行われます。
【大阪港湾局施設管理課 稲山浩之課長】
「夢洲は万博が行われる会場なので、そこにそういった車が走っているのは、今後の開発も含めてよくない。警備員等を配置して関係車両以外を侵入させないという指導する。バリケードを設置して車が入ってこない形にしたい」
――Q:封鎖をするようなイメージか
「そうですね、夜間だけですが」
バイクを走らせていた若者の1人に話を聞いてみると…
【バイクを走らせていた若者】
「困るっすね。また走れる場所を見つけないといけないです」
【大阪港湾局施設管理課 稲山浩之課長】
――Q:封鎖の穴を抜けて入ってきた場合は?
「注意しかないですね。全くそのような車が走れないんだと。徹底した対策として、まずは入れない形をとりたい」
万博の会場夢洲で繰り返されている危険な運転。新たな対策は功を奏するのでしょうか。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年2月16日放送)