LINEリサーチが発表した年代別の『好きなハンバーガーTOP5』(2020年7月発表)では、どの年代でも1位と2位はチーズバーガーかテリヤキバーガーのいずれかと、それぞれ不動の人気を誇っています。
一方、10代と30代では3位、20代と40代では4位にランクインしている人気メニューが『チキンバーガー』です。こちらも世代を問わず一定のファンがいることが分かります。
そんなチキンバーガー、最近は専門店が次々登場するなど盛り上がりを見せています。そのヒミツを取材しました。
■大手外食チェーンも注目のチキンバーガー
根強いファンも多いチキンバーガー。
去年10月、『BIG CHICKEN! 梅田店(※デリバリー<Uber Eats>のみ)』から、とんでもないチキンバーガーが登場したと聞き、デリバリーしてみると、バンズからはみ出た巨大なフライドチキンが…。
大きなチキンの胸肉を揚げ、これまた大きなバンズではさんだダイナミックなチキンバーガーです。
【薄田ジュリアキャスター】
「(食べようとして)アゴ外れるかも…。タレはテリヤキですけど、お肉は結構あっさりしています」
さらに、実は去年から『ロイヤルホスト』や『焼き肉ライク』、そして『鳥貴族』といった大手外食チェーンも、続々とチキンバーガー市場に参入しているんです。
なぜ今、チキンバーガーが注目されているのでしょうか。
【薄田キャスター】
「大阪上本町駅前に来ています。周りはファストフード店が乱立していて、選び放題です」
駅から徒歩圏内に6店舗もある、いわゆる“ファストフード激戦区”。その中で去年8月に登場したのが、『ToRico’s Grilled&Fried Chickhen 上六店』。
【ToRicoスーパーバイザー 三好佑季さん】
「スペイン語で『rico』というのは美味しいという意味でして、うちのチキンの『虜』になってほしいというところで、ダブルミーニングです」
【薄田キャスター】
「(バーガーの包み紙を開け…)タコスの香りっていうんですか?すごいメキシカンな香りが広がってますね、チキンもジューシー。このサルサソースと温かいタコソース、そしてとろっとした玉ねぎが、やみつきになりますね、これは」
実はこの店、あの『ほっかほっか亭』がプロデュースしていて、もともとは弁当販売店があった場所です。チキンバーガーを販売することにした理由は…。
【ToRicoプロジェクトリーダー 植崎正淑さん】
「鶏肉を揚げるということであれば我々ほっかほっか亭も40年間の歴史がありますので、絶対に負けないのかなと思いまして」
1号店を出店しておよそ4ヶ月、チキンをメインにしたことで経営面でも実績をあげているといいます。
【ToRico植崎さん】
「仕込みの手間というのがお弁当に比べてなくなり、その分のコストというところで、商品をチキンに限定して出すことで、売上は、ほっかほっか亭のほうが良かったんですが、生産性を上げたことで、利益率はToRicoのほうが上がっています」
新しい業態として滑り出しは上々。既に2店舗目の出店に向け動き出しているそうです。
■韓国発のブランドとの提携も
チキンバーガーを出すお店は天神橋筋商店街にも…。
【薄田キャスター】
「ケンタッキーの目と鼻の先にフライドチキンの店ができています。結構挑戦的ですよね」
看板には大きく、韓国発No.1チキンブランドの文字。
世界展開しているチェーン店『bb.qオリーブチキンカフェ JR天満駅前店』です。
ゴルゴンゾーラチキンバーガーを食べてみると…。
【薄田キャスター】
「チーズが結構ドロっとしたような感じで、チキンもボリュームがあります。この濃厚なゴルゴンゾーラチーズに、はちみつの甘さとバルサミコのちょっと爽やかな感じがプラスされてすごく美味しいです。チーズ大好きで毎日のように食べているんですけどこれはしっかりゴルゴンゾーラ」
運営するのは居酒屋大手の『ワタミ』。コロナ禍で本業の苦戦が強いられる中、持ち帰り需要が見込め、利益が出せる新業態として注目したのがチキンでした。
韓国発のフライドチキンブランドと提携し、国内で今19店舗を展開しています。
今後は、直営店とフランチャイズ合わせて国内1000店舗にまで拡大させたいと意気込んでいます。
■ケンタッキーは半年売上が過去最高を記録
西日本ハンバーガー協会代表理事の寺川さんはチキンバーガー人気を次のように分析しています。
【西日本ハンバーガー協会 寺川裕之代表理事】
「牛肉は米国産が(1年で)約1.7倍くらい上がっていて、食材コストがかなり跳ね上がっています。鶏がそれに比べると安定供給されていて、値段も低価格ですごくいい商材なのかなと考えています。おそらくチキンバーガー専門店がこれからどんどん増えていくだろうと。流行ってから店舗作っていたら遅いんですよね」
大手チェーン、『ケンタッキー・フライド・チキン』は、去年4月からの半年間の売上がおよそ753億円と過去最高を記録。
前年度と比較して8.1%増という好調ぶりです。
定番オリジナルチキンだけでなく、手軽に食べられるサンド関連商品の売上は何と全体よりも高い14.4%の伸び。まさに絶好調の要因となっているのです。
さらに一般公開している経営計画に気になるワードを発見。
【薄田キャスター】
「中期経営計画、『KFCをエブリデイブランドへ』って書いてありますね」
【日本ケンタッキー・フライド・チキン 広報CSR部広報課 野口竜也課長】
「クリスマスとか誕生日とか、記念日に家族や友人と集まって召し上がるということが多いと思うんですけども、もっともっと多くのお客様に召し上がっていただきたいということで、日常利用を促進しております。サンド商品であれば1人のお客様でもご注文いただけますし、お昼の軽食代わりにも使っていただけますので、オリジナルチキンに次ぐ第2の柱に育てているところであります」
ケンタッキーは今、サンドの期間限定メニューに力を入れていて、中にはチキンにメンチカツを追加したサンドまで登場しました。
ただ、気になるのは増えるライバルについてです。
【薄田キャスター】
「お客さんが取られちゃうかもという危機感はないですか?」
【日本ケンタッキー・フライド・チキン 野口課長】
「業界全体で盛り上がってもらえたらと思っています。我々、チキンのスペシャリストとして手作りをモットーにさらに美味しい商品を提供していきたいと考えています」
ハンバーガーに迫る存在感を示しはじめた、チキンバーガー。各社ともその人気を追い風に、さらなる魅力的な商品を展開してくれそうです。
(関西テレビ『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」 2022年1月18日放送)