2021年10月。和歌山市の紀の川にかかる水道管が突如崩落。断水によって、およそ6万世帯に影響が出ました。原因は、老朽化によるつり材の破断。災害への備えを改めて見つめ直す機会にもなりました。
この崩落事故の裏では、近所に住む外国人たちが孤立していた実態がありました。
■復旧費用は約16億円
【記者リポート】
「水管橋の崩落からまもなく3カ月がたとうとしています。現場ではクレーン車など重機がはいり、水管橋の撤去工事が始まりました」
復旧費用は、およそ16億円。全ての工事が終わるのは来年6月ごろになる見込みです。
■外国人が孤立の実態
そんな中、災害時の対応に危機感を抱いて、動き始めた人がいました。
和歌山市に住む長谷川萌子さん。今回の断水で、近所に住む外国人たちが孤立していたのを知ったのです。
【断水1カ月前に来日したフスナ ザイナル アビディンさん】
「一番大きな問題は、断水が起こったことを知らなかったことです。私たちが直接情報を得られるメディアやウェブサイトを行政に展開してもらいたい」
【長谷川萌子さん】
「海外の人も、日本人も、同じ課題を感じていて、リアルタイムの情報の取得とか正確な情報取得にすごく困っていた」
■市民が自分事として防災に取り組む
長谷川さんたちは、今回の断水で困ったことや、今後の課題について、独自にアンケートを実施。その後、何度もミーティングを重ねた上で、地域防災に関する意見をレポートにまとめ、和歌山市に提出しました。
【長谷川萌子さん】
「今回のことで気づかされたことが多かった。問題を皆さんで共有して、それぞれができることを、できるタイミングで取り組んでいくという、協力体制が必要なのかなと思っています」
崩落のその後を取材すると、市民が自分事として地域防災に取り組む姿がありました。
(関西テレビ「報道ランナー」2021年12月27日放送)