“背徳グルメ” ヘルシー志向の中でハイカロリーに魅了される理由 「罪悪感が最高の調味料に」【ヒットにワケあり!オカネのヒミツ】 2021年11月23日
「背徳」それは、道徳にもとり背くこと。
駄目だとは分かっていながらも、病みつきになるのが「背徳グルメ」です。
調査してみると、そんな「背徳グルメ」を全面に打ち出した店を発見。
【薄田ジュリアキャスター】
「チーズと生はちみつのお店BeNeさんにやってきました。罪深いと話題になっているグルメがあるそうなんです」
約10種類のチーズと、生はちみつを使った料理が自慢の店。
中でも、若い女性に大人気だというメニューが『天使が作った悪魔のトースト』。
【薄田キャスター】
「チーズの量すごいですね。トーストからなだれ出てますよ」
【広報 青池美帆さん】
「では生はちみつをかけさせていただきます。しっかりとかけております」
【薄田キャスター】
「けっこうな量ですね。見るからに罪深いです。本当に悪魔の食べ物だ。絶対美味しいのは間違いないんですけど、絶対カロリーが高いのも間違いない」
竹炭を練りこんだ食パンの上に、マスカルポーネやゴルゴンゾーラなど、4種類のチーズをのせ、生はちみつをたっぷりと。
1つでなんと約950キロカロリーです。
【薄田キャスター】
「(食べて…)今一瞬で血糖値が頂点行きました。やっちゃいけない事してる感じもあってよりおいしく感じる。これ食べてやったぜっていうダメな事だけど、征服したっていう感じもあるんですかね」
【広報 青池さん】
「ストレス発散にもなってるのかなとは思っています」
また、大阪・梅田にある肉バルGABURICOでは、『悪魔の肉チーズタワー 食べ放題』という罪深い料理が話題に。
このような背徳グルメは、今年になって増えていてどれも大人気だそうです。
■パン1つでご飯3杯分以上
今年6月、大阪の本町にオープンした、BAKERY&CAFE The.Terrace。
【薄田キャスター】
「香りがすごいですね。匂いだけで背徳感が…」
『マヌルパン』は、一見普通の美味しそうなパンですが、作っている様子を覗いてみると…。
【店員】
「ガーリックバターとパセリを混ぜたものにパンをくぐらせていきます」
【薄田キャスター】
「結構大胆に…、すごい匂いですね。パンもこんなにガーリックを浴びる事ってないでしょうし。それを食べるって相当な背徳感がありますね」
さらにパンの中には、練乳クリームチーズがたっぷりと入っています。
【薄田キャスター】
「今日、人と会う事も控えないといけない気がする。けど絶対食べたい、美味しいの分かるから。(食べて…)すっごく美味しい。はじめにニンニクの香りが広がって、その後に甘じょっぱいチーズがドロッと舌の上に流れ込んで来て、これはたまらんすね。なんかね、めっちゃクセになる味です」
このパン1つで、ご飯お茶碗3杯分以上の約856キロカロリー。
オープン当初と比べ、10月は3倍売れたそうです。
■人気料理研究家「罪悪感が最高の調味料に」
ヘルシー志向がうたわれる今、なぜ背徳グルメが注目を集めているのでしょうか。
『悪魔のレシピ』で料理レシピ本大賞を受賞した人気料理研究家・リュウジさんに聞いてみると…。
【リュウジさん】
「やっぱり家にいる中でストレスが皆さんたまってるんじゃないかなっていう風に思います。そのストレスのぶつけ所が背徳めしなんじゃないかっていう風に僕は思いますね。僕はよく背徳めしに自分のストレスぶつけてますよ。『カロリーの低いものはカロリーが高いものを食べるためにある』って言ってるんですよね」
背徳グルメを食べることでストレスの発散や達成感、満足感が得られるのが人気のヒミツだそうです。
【リュウジさん】
「罪悪感が最高の調味料になりますから。今日はもう悪魔と契約しちゃおうっていう日を作っていただいて、そこがまたいい調味料になるんじゃないかなと」
リュウジさんの人気レシピ本「真夜中の背徳めし」にも、罪悪感はあるけど食べずにはいられない、悪魔的な背徳めしが紹介されていました。
■グッズで背徳感が味わえる仕掛けも
さらに背徳感ブームは、グルメだけではありませんでした。
【薄田キャスター】
「こちら、お中元でお馴染みのハムですが、握りつぶせるんです!」
本物のハムを握りつぶすのはもちろんダメですが、それが出来る背徳感を味わえるヴィレッジヴァンガードの『【天下一】スクイーズ お中元箱』。
最近、この様な背徳感グッズが増えているそうなんです。
その背景にあるヒミツについて、心理学に詳しい近畿大学の清島秀樹名誉教授に聞くと…。
【清島名誉教授】
「SNSの流行ですね。ちょっと安全な背徳感。本当に悪かったりするんじゃなくて。これの共有が楽しいんだと思います。子どものいたずらに極めて近い。で、そのいたずらをやるのをみんなと共有する。これに我々はなぜか快感を覚えますね」
先生にも、ハムを触ってもらうと…。
【清島名誉教授】
「すごく面白い。これは下手をすると病みつきになるかもしれない。すごく気持ちがいいけどちょっと罪悪感があるってネットに流したらワーっと広がって、要するにネタになるっていうんですかね」
普段味わえない快楽や美味しさを堪能する事でストレスの発散に。閉塞感のある今を楽しく過ごす、1つのアイデアなのかもしれません。