■ブーム再到来!ルービックキューブの秘められた魅力とは
立体パズルの代表格・メガハウスの「ルービックキューブ」。
みなさんも一度は手にしたことがあるんじゃないでしょうか?
【街の人】
「流行っていたから持っていた」
「(学生時代)わりとみんな買っていてすぐ売り切れて買えなくて」
【親子】
「全部色揃うねんで」
「え?ぜんぶ?どうやって?どうやって色が揃うの?」
と、幅広い世代で親しまれているおもちゃですが、最近はどんなものが売られているのでしょうか??
【薄田キャスター】
「ルービックキューブのコーナーを発見しました。一般的な3×3のタイプですね。あと、ちょっと変わったかたち。1×3のルービックキューブ。ちょっと難易度が低いものも。いろんな種類出ていますね」
従来の形だけではなく難易度を変えるために、様々な商品が登場していました。
【トイザらス なんばパークス店 関大輔 副店長】
「小さいお子様が2×2とか、最初の入門のかたちで買っていかれて、そのあとに3×3っていうのを買われているイメージ」
さらに食品メーカーとコラボしたこの商品は、リアルで可愛いなどとSNSで話題に!
そしてルービックキューブはこんなところにも…。
【薄田ジュリアキャスター】
「本屋さんの趣味の棚に見つけました、ルービックキューブありますね。おもちゃですけど、本棚に違和感なく並んでいますね」
小さな子どもから大人まで、幅広い世代が買われるそう。
なぜ、書店で販売することにしたかというと…
【ジュンク堂書店 難波店 堀芳郎さん】
「ガイドブックと一緒に並べることができて相性がいいから、パズルと本でセット販売できるのが強みかなと思っています。お目当ての雑誌とか本とかがあって、パズルも置いてあるんだ、面白そうだなと思ってもらって買ってくれてるのかと思う」
メガハウスによると、玩具業界では年に10万個売れたらヒットと言われる中、「ルービックキューブシリーズ」は毎年10万個以上、出荷し続けているそう。
なぜ長年根強い人気を誇っているのでしょうか?
そもそも、「ルービックキューブ」は、1974年にハンガリーでルービック教授が考案し、日本で発売されるや否や400万個出荷の大ヒット商品に!
その後、脳トレブームの波に乗り2007年に第2次ブームを迎えました。
今は、第三次ブームだといいます。
ヒットの要因を聞いてみると…
【メガハウス トイ事業部 小林琴さん】
「発売から40周年たち、お子さまが大人になったときに、昔できなかったことが今ならできるかもと思って、やってみようと思われる方が多いです」
その歴史からどの世代でも楽しめるのが一番の要因。
また各面のマスをシールからパネルにすることで、扱いやすくしたそう。
そして飽きさせないための仕掛けも…。
【メガハウス トイ事業部 小林琴さん】
「6面揃えること自体がなかなかできない方がいると思うので、販売途中から攻略書をつけている。去年から攻略動画を作り、非常に分かりやすく説明できるようになって」
1年半前から立体パズルにはまっている男性に話を伺うと…
【中西裕紀さん(55)】
「最初に触ったのは中学生ぐらい」
【薄田ジュリアキャスター】
「最初に日本にはいってきた頃?」
【中西裕紀さん(55)】
「そうそうそう!あの頃大ブームで。どこも品切れやったと思うんですけど」
ただ中西さんは、その時は面白さがわからず、すぐに興味をなくしてしまったといいます。
【中西裕紀さん(55)】
「子どもの頃は、なんで揃ってるのかがよくわからなかったけど。手順が多すぎて簡単に揃える方法はないのかなと研究したりして面白いなと。電車乗っていて周り誰もいないなって思ったらちょっと出して」
【薄田ジュリアキャスター】
「電車の中でもやってるんですか?」
やり始めてから触らなかった日はないという中西さん。
【薄田ジュリアキャスター】
「適当に回してるのではなく?」
【中西裕紀さん(55)】
「かたちを見て、下から順番にあわしていってる、回してみます?」
【薄田ジュリアキャスター】
「無駄だと思います」
私も中西さんに教えてもらいながらやってみること25分…。
【中西裕紀さん(55)】
「1、2、3、4。1、2,3、4、はい。揃った」
【薄田ジュリアキャスター】
「お、お!いきますよ!せーの、完成。達成感わかります。ちょっと自分でやってみたいとか、次は。ここからどんどん進んでいくと沼にはまっていくんですね」
■多様な手順を追求できる面白さ
さらに調査してみると、今や意外なところでも活用されていました!
【薄田ジュリアキャスター】
「なにかしている。手元にみんなキューブ持っています」
「ここでは何をされてるんですか?」
【宮垣 公一さん】
「キューブを揃えていまして、今新しい技とか教えてる」
「ここではキューブ教室じゃなくて縄跳び教室をしていまして」
縄跳び教室で立体パズル??
実際どんなふうにして練習しているのか見せてもらうと…
【薄田ジュリアキャスター】
「みんなが持っている紙はなんですか?」
【児童】
「キューブできるレベルが書いてる表」
【薄田ジュリアキャスター】
「キューブ検定表?」
【児童】
「はい」
レベルに合わせてそれぞれ目標が決められていて、みんな休憩時間になると、いっせいにキューブを回し始めます。
目的は、子供たちの集中力アップだそうです。
【児童】
「集中力は上がってると思う」
【薄田ジュリアキャスター】
「影響あるなって感じる?」
【児童】
「ちょっとだけ。笑」
【薄田ジュリアキャスター】
「キューブをすることで縄跳びも上手になる?」
【宮垣 公一さん】
「縄跳びも上手になってると私は思っておりますが。集中力ですね。さらに集中力の先には、揃えるために何をしたらいいのかなっていう先を見る力。あとは記憶力。遊びっていうか、知育、脳を鍛える。そこには必ずつながっている」
立体パズルをすることで、そういったプラスの効果は本当にあるの??
確かめるため、脳の活動の変化を調べてみました!
協力してくれたのは、脳波の研究などをしている近畿大学の𠮷田教授です。
脳を活発に活動させるためには、いろんな栄養素を送り込むために血流量が増えるそう。
赤は、血流量が多い状態、青は少ない状態を表しています。
試しに大学の学生にやってみてもらうと…
【近畿大学生物理工学部・𠮷田久教授】
「最初は青かったと思うけど、いま非常に活動量があがってタスクに集中しているのが非常によくわかる。相当考えながらやっているなというのが、これを見てると分かりますね」
そしていざ、私も挑戦です!
しかし、開始からわずか1分。
【近畿大学生物理工学部・𠮷田久教授】
「いまもう全然わかってないでしょ」
【薄田ジュリアキャスター】
「全然わからず」
【近畿大学生物理工学部・𠮷田久教授】
「これは作業しているように見えてたぶんあまり考えてなかったというのが想像されます。脳活動ほぼ停止状態みたいな」
【薄田ジュリアキャスター】
「脳使ってないのがばれてました」
何から手を付けていいかわからず・・・
気をとりなおして、攻略書を読み込んで再チャレンジ。
すると、最初は少なかった血流量も徐々に増えているのがわかります。
【薄田ジュリアキャスター】
「揃った!揃った!十字」
【近畿大学生物理工学部・𠮷田久教授】
「やっぱり『こうだ!』っていうのが分かった時に、非常に前頭葉の活動量が上がるというのが明らかに見えますね。前頭前野っていうのはワーキングメモリーだとか、認知とか様々な人間の活動をするうえで非常に重要な部分。ルービックキューブを完成させるために、様々なことを考えながらやれば、非常に活発に活動するんじゃないかと思う」
吉田教授によると、立体パズルは比較的容易に集中力を高めることが期待できるそう。
立体パズルには楽しいだけではない色々な魅力が秘められていました。
(2021年11月2日放送)