高槻市、島本町をエリアとする大阪10区。
維新、立憲民主、自民が三つ巴で争う激戦区です。
■辻元清美候補
10月14日、衆議院解散直後…
【立憲民主党・辻元清美候補】
「公平公正な社会にしたい。それを選挙で訴えたい。みんなで一緒に変えようと。やりまっせ!」
小選挙区で2期連続当選している立憲民主党の 辻元清美さん(61)。
前回は公示直前に立ち上がったばかりの立憲民主党に合流。
この4年の間に、女性初の国対委員長もつとめ、与野党折衝の最前線に立ってきました。
【立憲民主党・辻元清美候補】
「本当にほんとようここまで来れたと思います。枝野さん中心に立憲民主党最初5人で立ち上げましたのでね、そのメンバーの一人なんですけど。この4年間よう働きました。自分で言うたらあかんけど」
解散当日、真っ先に地元へ戻った辻元さん。
森友学園を巡る公文書改ざん問題の再調査を求め国会で質問したことを報告しました。
【立憲民主党・辻元清美候補】
「再調査してほしいという訴えだったんです。そういう手紙預かって本会議場で読みました。しかし再調査はしませんという答えなんですよ。赤木雅子さんの話は人ごとじゃないと思うんです。自分の家族がそういう目にあわされたら納得できないですよね。おひとりおひとりを大事にしていくのが政治のありようじゃないですか」
【立憲民主党・辻元清美候補】
「代表質問できるのは限られた人たちで、国民の思いとか、国民一人一人が総理に質問できない。一言一言、一秒一秒大事に国会での質疑には臨んでいます」
初当選から25年。
地元住民との交流を第一に活動してきました。
そんな辻元さんのもとに心強い助っ人が駆けつけました。
【立憲民主党・蓮舫代表代行】
「なんでも反対とか、辻元や蓮舫は反対ばかり言ってるとか冗談じゃない。国体委員長の時に政府の出した法案に対して、辻元さんが賛成でまとめたのは80%超えているんですよ。8割超えているんですよ。これ実績じゃないですか!」
巨大与党と対峙してきた経験をもとに政権交代を訴えます。
【立憲民主党・辻元清美候補】
「安倍元総理も今も岸田さんの後ろちょろちょろ、ちょろちょろしてるじゃないです。たまり切った長期政権のうみを取り除くのは政権を変えて頂いて、皆さんと一緒に大掃除するしかないと思いますがいかがでしょうか」
■池下卓候補
【日本維新の会・池下卓候補】
「大阪から日本をかえる。これを私池下卓に託していただきたい」
日本維新の会の池下卓さん(46)。
約10年つとめた大阪府議会議員を辞めて、国政に挑戦することになりました。
【日本維新の会・池下卓候補】
「生まれも育ちも高槻。やっぱり地元高槻・島本を良くしていきたいという思いが一番強いです。敵は辻元さんだけじゃなくて自民党の大隈さんという現職の国会議員もいらっしゃいますので、私チャレンジャーですから乗り越えていきたいと思います」
前職2人に挑むことになった池下さん。
街頭演説でも辻元さんへの対抗心を隠しません。
【日本維新の会・池下卓候補】
「この地元、高槻・島本には、立憲民主党の副代表さんもいらっしゃいます。先日こう言われました」
【立憲民主党・辻元清美候補】
「国政選挙ですからローカルな維新は眼中にはないんですけどね」
【日本維新の会・池下卓候補】
「維新の会はローカルだから、人数少ないから、立憲は100人いるから『眼中にない』と。まさに眼中にないとはどういうことかと」
池下さんは、2011年に大阪府議会議員に初当選。
祖父も父も自民党の高槻市議でしたが、維新からの出馬を選びました。
【日本維新の会・池下卓候補】
「自民党は知っているけど国から下におりてくるイメージが強かった。永田町から地域に指令が出てきて『こうやりなさいよ』と。維新の会は逆やったんですよね」
池下さんと同じ年に政治の世界へ飛び込んだのが吉村洋文副代表。
池下さんへの応援にも力が入ります。
【日本維新の会・吉村洋文副代表】
「国会議員は冬のボーナスすでにもらっている。日割りで188万円。おっかしいよこんなの。高槻は強烈に厳しいです。だからやってきました。厳しいです。相手が強い。名前言いません… 辻󠄀元さん。なんとか池下さん頑張ってもらいたいと思うんです」
【日本維新の会・池下卓候補】
「かなり反響あったと思うんですが、選挙の情勢は気が抜けない。厳しい選挙区ですので」
第一に訴えるのは、大阪での実績をもとにした国政での「改革」です。
【日本維新の会・池下卓候補】
「我々、維新の会は改革なくして成長なし。政権与党のゆるみとおごり、立憲民主党の反対の政治だけでなく本当の意味での改革を行っていく」
■大隈和英候補
【自民党・大隈和英候補】
「自民党しっかりしないといけないと困るというお叱り頂いた。だから私たちは常なる反省に立って私たち自身を改革していく」
自民党の大隈和英さん(52)。
岸田政権でも厚生労働大臣政務官に再任。
今回の選挙で訴えるのは、政府の一員として新型コロナ対応に当たってきた実績です。
【自民党・大隈和英候補】
「コロナは大災害、国難です。厚生労働大臣政務官としてコロナを一日も早く終わらせる。その仕事を皆さんの力で私に続けさせていただきたいんです」
大隈さんは、過去2回“比例復活”で当選。
今回こそは小選挙区で勝ってもらおうと、自民党の大物議員も駆けつけました。
【自民党・河野太郎広報本部長】
「もともと医者で厚労労働行政が得意だと思うが、このままいくとそう遠くないうちに「厚労大臣・大隈和英」と呼ばれる日が来るんではないかと。大隈和英のおそらく唯一の欠点は選挙が弱い。これは本人頑張っても一人ではどうにもなりません」
そして、この人も応援で高槻市に…
【自民党・安倍晋三元首相】
「立憲民主党は共産党とタッグを組んで政権選択の選挙でもあります。厚生労働大臣政務官!必要な人材!大隈和英!どうぞよろしくお願いします」
大隈さんの一番の助っ人、それは去年産まれた長男です。
【自民党・大隈和英候補】
「かわいいよ。朝方、すごく寝つき悪かったら背中けられてたりして、それも愛おしいよね。(長男の存在で)すごく疲れが取れますし、力もらってます」
今回の選挙で重きを置いて訴え続けるのは“新型コロナ対応”です。
【自民党・大隈和英候補】
「大阪は全国で人口当たり断トツのコロナの死者を出しています。改革ではなく破壊なんです。『大阪の改革を全国に』とそんなうたい文句で選挙やっている奴がいるが冗談じゃない。日本をぶっ壊されたらたまったもんじゃないんです」
選挙戦終盤を迎えた10月27日、“大物”政治家が続々と高槻入り。
池下さんのもとには、辻元さんのかつての「宿敵」ともいえるこの人が―
【日本維新の会・鈴木宗男参議院議員】
「私が本物の鈴木宗男です。(辻元さんに)証人喚問でこういわれました。あなたは疑惑の総合デパート、いや総合商社と言いました。批判ばかりして、人の揚げ足ばっかり取って自分だけいい思いしてる人は政治家になるべきでない」
大隈さんのもとには、元首相で自民党副総裁が駆けつけました―
【自民党・麻生太郎副総裁】
「今後大阪万博で政府と連絡誰がやるのか。どうやってやるつもりなんです?ぜひそういことも考えていただいて。大阪だけでやるならどうぞ。そうはいかんでしょうが」
そして辻元さんのもとには、立憲民主党ではなく、自民党の元副総裁の姿が―
【元自民党元副総裁・山崎拓氏】
「(辻元さんは)非常に雄弁で説得力もある方でもございまして。こういう方が日本の政治の中で、個人的に申しましても、活躍される必要があるといつも思って参りました。辻元清美が当選すれば日本政治のためになると」
激しい3つ巴の大阪10区、投開票日は10月31日です。