話題の工場直売所があると聞き、やってきたのは・・・
【薄田ジュリアキャスター】
「こちらですね。工場直売所って書いてあります。こんにちは~!」
京都市伏見区にあるカステラ専門店。
【薄田ジュリアキャスター】
「ここって、カステラ工場がすぐ近くにあるんですか?」
【三源庵 山田喜雅 代表取締役社長】
「そうですね。工場の直売所になっています」
案内してもらった工場は、まさにこの店の真裏!
特別に中を見せていただきました。
【薄田ジュリアキャスター】
「まさか、ここに並んでいる黄色いものは・・・カステラでしょうか? いや~すごい美味しそうですよ」
主に百貨店や高級スーパーに卸しているこちらのカステラ。
毎日2000本近く焼き上げています。
ご厚意に甘えて、一口、いただきます!
【薄田ジュリアキャスター】
「わあ、すごい!ふわふわですよ?!・・・ん~!めっちゃおいしいです」
【三源庵 山田喜雅 代表取締役社長】
「出来立ては出来立てのこのふわふわ感であったりとか、卵の香りだったりとかすごくすると思うので、直売所に来られている方はそれを堪能できるということがありますね」
製造の過程で切り落とされる端の部分も格安で販売されていて、中には出来立ての端っこを求めて、一度出直す人の姿も。
1日に600個以上販売したこともあるといい、売り上げは毎月100万円以上だそうです。
【三源庵 山田喜雅 代表取締役社長】
「車で名古屋から週末来られたりとか。食品の工場がここ多い地域なので、結構回ってこられる方多くいらっしゃいますね」
教えてもらった通り、歩くことおよそ10分。
【薄田ジュリアキャスター】
「あ!これですね、直売所!こんにちは~。コンテナをそのまま直売所に、っていう雰囲気ですね。うわ~!よく見るアンデの食パン壁にずらっと並んでます」
こちらのデニッシュ食パン専門店の直売所では、正規の値段の2割引きでパンが買えるとあって、朝からひっきりなしにお客さんの姿が。
【常連の男性】
「親戚、近くにいるから。あわせて買っていく時があるんですよ」
さらにまた10分ほど歩いた先にも。
【薄田ジュリアキャスター】
「あ、ここにも・・・大きく『工場直売所』って書いてますね」
シュークリームやアイスクリームなどのスイーツを製造する工場の直売所も発見しました。
こんなに直売所が集まるワケを聞いてみると・・・
【アンデ 店員 西川由子さん】
「やっぱり工場が割とたくさんあるんだと思いますね。名神の南インターがあったり、京滋バイパスがあったり、流通するのにすごい便利やと思います」
【薄田ジュリアキャスター】
「流通面でここで作るとすぐ運んでいけると。ここに来るといろんな直売所が巡れるからいいですね」
【アンデ 店員 西川由子さん】
「そうですね、私もよく行きます、他の直売所に。カステラ屋さんやったり、洋菓子屋さんやったり・・・!」
店員まで虜にしてしまう工場直売所ですが、実は今、新しく作るところが増えているそうなんです。
いったいなぜなのでしょうか?
調査するためやってきたのは、大阪市西区。
ここで作られる餃子は、オンライン限定販売で、注文が殺到する人気商品だそう。
【once in 長坂賢介 代表取締役】
「例えば目の前のマンションのお客様や、周辺のお客様がインターネットで1カ月待ちでご購入いただいている現状・課題がありまして、それで近くに24時間のお店をオープンしました」
「すぐそこだから」と言う社長に連れられて歩くこと、5分。
【薄田ジュリアキャスター】
「でっかく書いてますね。直売所、ここですか。しかも無人なんですか?」
ことし8月にオープンしたばかりの直売所。
自分で冷凍庫を開けて、24時間いつでも餃子を購入することができます。
無人販売のため、定期的に商品を補充するだけで、追加の人件費をかけることなく運営しています。
【薄田ジュリアキャスター】
「これ料金箱ですか?・・・賽銭箱じゃないですか!」
【once in 長坂賢介 代表取締役】
「餃子の神様を祀って。ギャグで」
面白半分で作った料金箱でしたが、皆さん真剣に手を合わせて帰るのだそう。
ーーQ:何お祈りしたんですか?
【薄田ジュリアキャスター】
「何歳になってもおいしく餃子が食べられる身体でありますようにって」
オンラインで購入しなくても地域の人がすぐに商品を手に取れるよう、サービス精神から始めたといいます。
【薄田ジュリアキャスター】
「生産体制を増強するまでこの販売所のオープンって待てなかったんですか?」
【once in 長坂賢介 代表取締役】
「正直1店舗目なんで、とりあえずやってみようかという形で。オンラインはオンラインだけのお客様になってしまうので。真逆で近場の、地域のお客様にリアルで知っていただきたいという思いがありまして」
さらに、日曜限定で開かれる直売所も見つけちゃいました。
朝8時半、駐車場に集まる人のお目当ては、パンです!
【常連の男性】
「孫が二家族おるんで。みんな好きなんでね。『これが欲しいです、これが欲しいです』ってこう来るんで、見ながら書いてます」
直売所を始めたきっかけはというと・・・
【リバーフィールド 山岡和美 代表取締役】
「ホテルとレストランとスーパーでオーダーをいただいて、100%卸のパン工場で、小売りは0だったんですよね。コロナになって、ホテルとかレストランさん(からの注文)が全然なくなったので、このままやったらパン工場つぶれるってなって」
リッツカールトン、W大阪など、高級ホテルの朝食や宴会用のパンを製造していましたが、売り上げが半分になった去年、新たな顧客を見つけようと目を向けたのが、地域の人々でした。
【リバーフィールド 山岡和美 代表取締役】
「ホテルに長年お世話になってきて、戻った時にうちが無くなったりこの業界をやめたりしていたら、困りはると信じてるんですよね。ここから派生する新しいマーケットとか、業態変更せざるを得ない状況になっているので、地道にいろんな活動をしています」
また調査を進めると、今月から新たに工場直売を始めようとしている会社が!
やってきたのは、焼きビーフンなど40種類以上の商品を、生協やスーパーで販売する「ケンミン食品」です。
【薄田ジュリアキャスター】
「まさに今工事中ですね。この駐車場にお店を作られるんですか?」
【ケンミン食品 田中国男 広報室長】
「新しく自動販売機を置こうと思っているんです」
実はケンミン食品では、去年、レストラン部門の売り上げが例年の2割にまで落ち込んでしまったのだそう。
そこで先月、テイクアウト需要を狙って神戸市の本社前に自動販売機を置いたところ、これが大好評!
一月で、目標の3倍を上回る230万円を売り上げたことから、工場の前にも直売所として設置することを決めたのです。
さらに、自動販売機で売られる商品にはヒミツがあるそうで・・・
【ケンミン食品 田中国男 広報室長】
「製造の途上でですね、多め多めには作っていきますので、その時に出てきた端数とかで、ダンボールにおさまりきらないものたちを、こういったところで販売しています」
ビーフンをゆでたり、炒めたりする工程で、投入した材料よりも出来上がりがどうしても少なくなってしまうため、注文よりも多めに作ります。
余ってしまった分は社員に配ったり廃棄したりしていましたが、自動販売機で直売することにしたのだそう。
【ケンミン食品 田中国男 広報室長】
「自動販売機で売れるとフードロス問題の一助にもなっていると思います。東京の支店でも置きたいと思ってますし、それ以外にも、ランチ需要があるんじゃないのかなという仮説のもとに、よその会社の社食として置いてみたらどうだろうか、とか色んなことを考えてトライをしていきたいと思っています」
様々な形で広がる工場直売が、新たな市場の開拓へとつながっているようです。
(2021年10月26日放送)