【徳島1区】かつてない激しい戦い 長年のライバル…自民現職・無所属元職に 維新新人・無所属新人の4人の争い 【衆院選2021】 2021年10月25日
「かつてない激しい戦い」となっている徳島1区。
今回で8回目の当選目指す自民の後藤田さんは、実は「過去最悪」と言われる地元との関係悪化が。
無所属の仁木さんは、コロナでかつてないほど重要視されたと言っていい医師という職業。
そして、徳島県での国政選挙では初めて、日本維新の会公認の候補者が選挙区から出馬しています。
このかつてない戦いに臨む候補者たちの訴えとは。
■後藤田正純候補
【後藤田正純候補】
「おはようございます。今日もがんばります、宜しくお願いします」
前職で自民党の後藤田正純さん。
街頭演説の前に、事務所スタッフと一緒に演説用の「のぼり」を立て、準備作業をします。
【後藤田正純候補】
「サーカス一座のようにですね。事務所スタッフも忙しいので、できるだけ少人数で」
7期連続で当選していて、知名度は抜群ですが…
【後藤田正純候補】
「今週も(東京と徳島を)3往復、4往復くらいしてます」
後藤田さんは、公示前から議員としての仕事の合間をぬって、頻繁に徳島に帰ってきていました。
そこには、今回は特に「厳しい選挙戦」になるという危機感が。
【後藤田正純候補 フェイスブックより】
「知事、県議会は、真剣に取り組んできたとは思えない。これを、県民不在のなれあい県政と言わずしてなんというのか」
後藤田さんは、徳島県のコロナ対策をめぐって、SNSなどで自民党の県連に対し、激しい不満や主張を連日投稿。
これを受けて県連は、後藤田さんに対抗する形で、無所属で県知事の飯泉嘉門氏を擁立しようとする動きもありました。
後藤田さんが党本部の公認を得た後も溝は埋まらず、関係性は、過去最悪の状態になってしまったのです。
【後藤田正純候補】
「歴史ある徳島自民党において大変な汚点」
「徳島の現状現実をしっかり把握した上で改革が必要だと。地道に訴えていくことが大事だと」
厳しい状況の中でも、公示日に事務所前で行われた出陣式には、約1200人の支援者が集結。
【後藤田正純候補】
「選挙は毎回厳しいと思います。そうでなければいけないと思います。楽な選挙なんかあるんでしょうか」
かつてない危機感の選挙戦。
後藤田さんは、「政権与党の一員として徳島を支えてきた」と、県民への必死の訴えを続けます。
【後藤田正純候補】
「わが徳島は政権与党のど真ん中とつながるのか、それとも野党とつながるのかの、まさに選択であります」
「コロナで傷ついたさまざまな産業にしっかりとした対策をします。岸田内閣で数十兆の経済対策、GoToキャンペーンGoToトラベル。これからまさに、この徳島が政権のど真ん中とつながって、コロナを克服していきます」
■ 仁木博文候補
その後藤田さんに長年挑み続けているのが、無所属で元職の仁木博文さんです。
【仁木博文候補】
「調子はどうですかその後」
「食事は、とれてますか」
医師でもある仁木さんは、日々の往診などをこなしながら活動を続けてきました。
【施設の利用者】
「優しい先生ですよ。すごく」
「もし結婚するならこういう先生がいい」
【仁木博文候補】
――Q:どれくらいの頻度で来られているんですか。
「週に1、2回ですね」
――Q:盤石な信頼関係を築いているようですが
「そうですね。それが一番ですね。人間関係は大きいと思いますね」
選挙事務所には新型コロナワクチンの接種会場が併設されています。
【仁木博文候補】
「地元で若い人、打ちたいなと手を上げている方々にはワクチン接種をすべきだと。そういう考え方で」
「現場の経験から、医療体制を再構築して、今の国難とも言える状況に対応し得る医療体制を、国会議員として政策として形にしていけるような立場に、早く私がいかないといけないなと」
後藤田さんとは、これで7度目の対戦。
これまで小選挙区での勝利はありません。
しかし今回は医師としての経歴を活かし、自ら「コロナ選挙」と銘打った選挙戦を展開。
ライバルを意識した演説で「反後藤田」票の取り込みも狙います。
【仁木博文候補】
「東京の代議士か、徳島が地元の代議士か選ぶ選挙なんです」
「地元徳島を良くして日本を良くしたいこの信念は、負けても負けてもぶれることなく持ち続けた揺るがない信念です」
「とにかく感染症を封じ込め経済をまわす。そしてマスクのない、元の日常が早く戻ってくるように」
今回が「最後の挑戦」だとする仁木さん。
専門分野の知識を強みにして、2012年以来の国政復帰を目指します。
【仁木博文候補】
「コロナ感染症(対策)やるのは、私しかいない。この徳島1区でね」
「徳島で、家族と一緒に今も生活してますから、県民の方々の今の現場の切実な思いを代弁するのは私であると」
■吉田知代候補
長年のライバル関係の2人に挑むのは、新人で日本維新の会公認の吉田知代さん。
維新が、国政選挙で徳島の選挙区に候補者を立てるのは初めてです。
【吉田知代候補】
「維新の改革をどれだけ理解していただけるか。また、維新の(徳島)初の衆議院議員候補、そして女性候補ということで訴えていきたいと思っています」
吉田さんは、元兵庫県の丹波篠山市議で、国政選挙への出馬は初めて。
高校生の子供を育てるシングルマザーです。
【吉田知代候補】
「言葉数は少ないですけども、一番の理解者というか、息子が応援してくれなかったらこの仕事ってなりたたないですし、お互いがんばろうねという感じですね」
「今、育児にどれだけ男性が参画していくかが重要だと思う。そこの部分を実体験したことが、やはり政治に携わりたいなって真剣に思ったきっかけ」
「私は子育て世代ですので、そういった方々の代弁者という形で訴えていけたら」
ライバル2人と比べると知名度が劣る吉田さん。
演説後は積極的に街の人に声をかけます。
【吉田知代候補】
「吉田知代と申します」
「どうか応援してください」
【吉田陣営のスタッフ】
「女性候補者がいた方が、選択肢が広がる」
【通行人の女性】
「そらそうやな。これあなた?」
【吉田知代候補】
「そうなんです。ちょっと盛ってますけどポスター用に」
ほかの候補との差別化をはかり、「女性目線」「維新ならではの改革」などの主張を軸に、票の切り崩しを狙います。
【吉田知代候補】
「女性議員が、もっと増えていくこと。それがより古い政治を壊して新しい政治をつくっていけると思っています」
「大阪でできた改革を、ここ徳島でも維新の風を吹かせてください。皆様の声をお一人お一人のしっかり国政に届けていきたいと」
■佐藤行俊候補
そして徳島1区では無所属の佐藤行俊さんが、天皇制と自衛隊の廃止を訴え、立候補しています。
――Q;どういったことを訴えたいか。
【佐藤行俊候補】
「2つしかない。天皇制と自衛隊の廃止」
「自衛隊を完全に廃止する。そうしたら、自衛隊に使われていた税金を赤字財政の穴埋めに使うことができる」
(カンテレ「報道ランナー」2021年10月25日放送)