あるスポーツの日本王者に輝く大阪の中学3年生の女の子です。
彼女が熱中しているのは、「パルクール」。
聞いたことありますか?
スケボーのようにストリートから生まれたということなんですが、一体どんなスポーツなんでしょうか?
友達とおしゃべりしながら歩いているのが、永井音寧さん、なんだかほんわかした雰囲気の中学3年生です。
街のいろんなものを使って飛んで、回って…もう何をやっているかわからない!
これがパルクールなんです!
【永井音寧選手】
「すごい開放されている時間。勉強とかは自分が自由にやっているんじゃなくて、“やらされている感”が自分の中であるんですけど、パルクールは自分がやりたくてやっているので、楽しいから自分が自由に動ける感じです」
パルクール女子で国内2連覇中の音寧選手。
これが彼女の見ている世界。
手首のけがで本来の30%ほどのパフォーマンス!
これだけ激しかったらそりゃケガもするよねえ!
【永井音寧選手】
「手首(のけが)は体育。バレーボール」
【母・千佳子さん】
「ぼーっとしてるんじゃないですか?」
【永井音寧選手】
「パルクールしてる人は“あるある”なんですよ」
普段は、ぼーっとしてても、スイッチが入るとこんな感じ。
これが音寧選手の本来の姿なんです!
音寧選手の練習拠点は家の近くの公園と、ここ、アクロバットスタジオ「POWER ARTS」。
5歳から通っている音寧選手。
頭を打っても、痛くても…いつも笑っちゃっていました。
小学2年生でパルクールに出会い、すぐにのめり込みました。
【永井音寧選手】
「ここからこれもできるん?」
全国大会を5日後に控えたこの日。
3連覇に向けた調整中に何かずっと考えている様子。
【永井音寧選手】
「このフローの中にどれを組み合わせれば一番いいかみたいな。いろんな技がある中でどれをくっつけたらいいかな。これもいいし、これもいいよな、どうする?みたいな」
フローとは、スムーズな流れで技を繋げるという、パルクールで最も大事な要素。
【インストラクター】
「FU―!!はい!できた!」
【永井音寧選手】
「OK?」
考え抜いたフローが決まった瞬間が一番の快感なんだそうです。
次の大会で入れるという大技の説明は音寧ワールド全開!
【永井音寧選手】
「体育とかでする、バーに運動神経良い子が出来るバーに両足をかけてヒュンて上がるやつあるじゃないですか。それで上がったときに膝まで持ってきて、ひざでパーンて、はじいてバク中で1回ひねってます」
なんだか難しいけど、これがその大技!
ヒザでパーンとやって、ひねっています!
ーーQ:大会の目標は?
【永井音寧選手】
「優勝です(笑)頑張ります(笑)楽しんで自分の思うようにできたらいいなと思います(笑)」
迎えた本番。
国内のトップ選手5人による熾烈な争い。
予選を2位で通過した音寧選手。
決勝のスタート前。
3連覇へのプレッシャーに押しつぶされそうになる中、ライバルから背中を押され、スイッチが切り替わりました。
これが練習していた大技!
決まりました!
そして、フィニッシュへ!
【永井音寧選手】
「始まる前から半泣きで、終わってほっとしたのか、泣きたいと思ってないのに勝手にワーッとなってきて、泣いちゃいました」
完璧なパフォーマンスへの、ライバルからの祝福。
【永井音寧選手】
「『お疲れ!頑張ったね!』と言われて、余計に涙出てきて、嬉しかったです。仲良すぎるよね、みんな」
【母・千佳子さん】
「いい人たちなので助けられている部分があります」
ーーQ:ライバルですよね,競技においては?
【永井音寧選手】
「・・・仲間・・・?」
【大会アナウンス】
「20得点!永井音寧ー!」
国内大会3連覇を達成!
でも、世界大会に出られるのは17歳からなんです・・・。
【永井音寧選手】
「世界一というのも大きな目標ではあるんですけど、これから出てくるネクストジェネレーションの子たちに自分を目標にしてもらったりとか、教えていったりとかそういうのは、将来やりたいと思います」
音寧選手は、はるか先まで見据えています。
全ては、パルクールが大好きだから。
(2021年10月14日放送)