地域の大人の子どもたちを想う気持ちが魔法となって通貨の価値を変えてしまう駄菓子屋が、奈良県生駒市にオープンしました。
子どもの幸せを願う人たちの、やさしい魔法に包まれた駄菓子屋です。
奈良県生駒市にオープンした「まほうのだがしやチロル堂」
店にやって来た子どもたちは、まず100円のカプセル自動販売機のレバーをまわします。
出てきたのは竹で出来た小さな板。
「チロル」と名づけられた、この店だけで使える通貨で、1チロルは100円の価値があります。
カプセルの中には、1枚から3枚のチロルが入っているので、もし、3枚でてきたら、200円分得したことに。
18歳以下の子どもたちは、カプセル自動販売機でゲットした店内通貨チロルで駄菓子やパンなどを買うことができます。
店内に並ぶ駄菓子はどれも一般的な店の値段と変わりませんが…
カレーのお弁当のお値段は、「おとな500円」「こども1チロル」と、大人と子どもで値段が違います。
【まほうのだがしやチロル堂 吉田田タカシ(よしだだ たかし)さん】
「そこが魔法なんですけど、子どもたちが100円で食べれるために大人がこれを500円で購入した時には2チロルが寄付として、チロルにまわるんです」
この店で販売されているカレーや弁当を19歳以上の大人が買うと、売り上げの一部が寄付されます。
これにより、子どもたちは100円で最大3枚のチロルをもらえたり、カレーを安く食べたりできるのです。
【弁当を買った人】
「職場がすぐ近くなんですけど、この活動の趣旨に共感しまして、少しでもご協力ができればと。たくさんの子どもで賑わってもらえればなという風に思っております」
子どもたちをサポートするための居場所は、これまでも開設されてきました。
しかし、貧困や孤独の支援という目的が多く、「僕は困っていない」「私は寂しくない」と拒絶する子どもたちもいたということです。
【まほうのだがしやチロル堂 吉田田タカシ(よしだだ たかし)さん】
「困った子たちだけじゃなくて誰でもが来れる。逆に言うと、困ってない人なんかいないじゃないかっていう話で、何かみんなどこかで困って、そういうことを気軽に相談できるようなコミュニティーのスペースができたらなと。大人が地域の子供におごる、間接的におごる、そういう軽やかな取り組みにしたいなと思います」
【訪れた親子】
「みんな一緒にっていうのがすごく伝わってくるというのがいいなと思って」
「これからも居場所になっていったらいいなと思う。いろんな子供たちの」
「まほうのだがしやチロル堂」は、月曜から土曜日の午前11時から午後6時まで営業しています。
(カンテレ「報道ランナー」9月3日)