まさかの“魚”もこの形…食品の便利さ追求したら『キューブ型』になった お茶からお菓子、スムージーまで 【ヒットにワケあり!オカネのヒミツ】 2021年07月06日
明治の板チョコに、ブルボンのルマンド、そして、ブラックサンダー…
いずれもお馴染みのお菓子ですが、実は近頃それぞれ「キューブ型」になった商品が発売されているんです。
こうした現象はお菓子だけにとどまらず、様々な食品で広がっています。
キューブ型食品が、数多く発売されている昨今、その裏側にはどんなヒミツがあるのか。
ヒットのワケを取材しました。
■フリーズドライ製法でそのままキューブに
思いもよらない進化を遂げていたのが、5月に発売された新商品『ワン・ツー・キューブ』(1袋648円・税込み Amazonで数量限定発売)。
お茶のエキスをキューブ型に凝縮したものです。
【薄田ジュリアキャスター】
「(キューブを水に入れて…)あっ!お湯ではなく水なのにあっという間に溶け出しましたね。(飲んで…)すっきりとした緑茶です。しっかり玉露の味も感じられて想像していた以上に本格的な緑茶ですね」
おいしさの秘密はフリーズドライ製法。
強い熱を加えずに作ることで、香りや味をそのままキューブにすることができるそうです。
「お茶がキューブになった」と発売前から話題になり、Amazonの人気ランキングで1、2位を独占しました(食品・飲料・お酒部門 今年5/11-19)。
しかし、どうしてキューブ型にしたのでしょうか?
【日本コカ・コーラ マーケティング本部 三瀬浩之さん】
「約8割のお客様が手淹れのお茶やコーヒーを美味しいと思っているんですけれども、同時に7割くらいのお客様が道具を洗うのが面倒だと感じていることがわかりました(日本コカ・コーラ調べ)。袋から取り出しやすく水にも溶かしやすいという点や、水筒などのマイボトルに入れて使えるというところは非常に便利かなと思っています」
実際に急須で淹れたお茶と、キューブ型のお茶を比べると、急須など道具を用意する時間を省いても、出来上がる速さは3倍以上違います。
さらにゴミも少なくなり、エコな点も注目されています。
■これまでの定番「粉」を売り上げで抜く
ほかにも、キューブ型にしたことで、多くの子育て世代の心を掴んだのが、『ミルク』。
2007年の販売開始以降、右肩上がりで売れ続けていて、なんと近年では、乳児用のミルク市場で粉タイプを抜いて利用者数が最も多いということです(2018~2020年 True Date調べ)。
【母親】
「外や友達の家とか実家とか自分の家を離れる時は持っていきます」
番組スタッフの家族も、このキューブ型ミルクの愛用者。おでかけの際には、必ず持っていくといいます。
生後5カ月の子どもも、美味しそうにごくごくミルクを飲んでいます。
【母親】
「(魅力は)スプーンなしで量れるところですね。しゃべりながらやっていても間違わずに作れるところがいいです」
販売する明治によると、このキューブ型ミルクは製法などで特許をとっていて、“世界で唯一の固形ミルク”と言っても過言ではないそうです。
キューブ型にすることで育児の負担が軽減されたとして爆発的なヒットを続けています。
■手軽で便利…家事の負担軽減にも
進化するキューブ型食品について、実際にお店で調査を進めてみると、イオンスタイル箕面の鮮魚売り場に並んでいたのは、なんとキューブ状にカットして冷凍された魚『パパッとできるお魚おかず(トップバリュ 1袋386円・税込み)』。
骨を取ったフィレ上の身を重ねて冷凍し、キューブ状にカットしたもので、すでに下処理もされているため、台所を汚さずに魚料理ができる優れモノです。
実際どれだけ簡単なのか、薄田キャスターが実際に調理してみました。
作るのは、キューブ状のさばとキャベツのごま味噌炒め。
材料はキャベツと市販のゴマドレッシングといった簡単なものです。
【薄田キャスター】
「まずキャベツを刻んでいきます。そして登場するのが骨取りサバ。これを入れていきます。お魚を下処理せず直接フライパンに投入することがなかったので、こんなラクチンでできちゃうのは大変助かりますね。サバのいい香り」
焼き色がついたらキャベツを入れ、火を通した後に調味料を入れるだけで完成。
なんと、かかった時間は10分足らず。まさに強力な助っ人です。
【薄田キャスター】
「おいしい!普通にサバの切り身ですね。一番心配だったのは食感だとか風味だったんですけども全く損なわれず、驚きですね」
あらかじめ骨を取っているため、忙しい方にはもちろん、小さな子供や高齢者にも大きな反響があったといいます。
【イオントップバリュ 商品開発本部 天野雄一郎さん】
「(5月の発売開始以来)毎週毎週各社の実績を見る限り、前週比15%ぐらいずつ増えている感じですね。同じ重量なのでカロリー計算して召し上がる方には『便利だね』という声をいただいています」
一口サイズで使いやすいので、料理の幅も広がります。
■“半解凍”で新たな魅力
さらに、見た目がとってもかわいい『ヴィーガン キューブ(よりどり4個 1588円・税込み)』。
正体はスムージーです。
道具の準備や洗い物など、手間がかかるスムージー作りですが、その面倒が1粒で解消。
さらにマイボトルに入れて持ち歩き、どこでも出来立てのスムージーを飲むことができます。
カラフルなかわいさが話題を呼び、発売からわずか2カ月でオンラインショップのアクセス数は50倍以上になったそうです。
【THE FARM CAFEオーナー 須田このみさん】
「見た目だけでもすでに楽しい気持ちになれるっていう見た目のかわいさと、これから食べる楽しさと。そういう体験をご提供したいと思い、あえて層にして可愛くしています」
またキューブ型にしたことで、半解凍にしてデザート感覚で食べることもできます。
【薄田キャスター】
「素材それぞれの味がしっかり濃縮されている感じで、なんか新ジャンルの冷凍スイーツって感じですね」
身近に広がるキューブ型食品。
それは、あらゆる便利さを追求した「進化した形」でした。
(カンテレ7月6日放送『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」より)