令和の「カリスマギャル」の素顔と本音…ギャルになって「めちゃくちゃ人に優しくなりました」…5年ぶり復刊「伝説的ギャル雑誌」の専属モデル 2021年05月27日
伝説ギャル雑誌「egg」が令和とともに復刊。
さらに2020年には雑誌「小悪魔ageha」も復刊するなど、今、「令和ギャル」の勢いが注目を集めています。
「ガングロ」「コギャル」といった平成ギャルとは何が違い、なぜ彼女たちは「ギャル」を貫くのでしょうか?
本音と素顔を取材します。
■5年ぶりに復刊した伝説的ギャル雑誌「egg」…「SNSの普及がギャル文化の大きな分岐点」
まず、若者たちが集まる大阪・ミナミで「令和ギャル」について聞いてみると…
【19歳】
「かわいいと思った子がギャル」
【中学1年生】
「メイクは憧れます。なんかかわいい。キラキラとかかわいい」
街を歩く彼女たちが参考にしているというのが…
【中学1年生】
「友達が『egg』に前入って」
【19歳】
「『egg』髪の毛の巻き方とかですかね」
伝説のギャル雑誌「egg」
5年ぶりの復刊となりました。
かつての読者が、今や編集長となっています。
【「egg」赤荻瞳編集長(24)】
「SNSの普及がギャル文化にとって大きな分岐点だと思っていて、ギャル全盛期と言われている時代は、浜崎あゆみさんとか109ブランドの服を着るっていうのがギャルの常識みたいな感じだったんです。令和になってからは、絶対これだよねっていうのがぶっちゃけないんです。SNSで自分をアップして、自分はこういうファッションが好き、というブランディングを作るのが主流だと思う」
SNSの普及によって、どこにいても誰でも、情報を得て発信できるようになりました。
それぞれが好きなギャル像を突き詰める時代なのです。
■「令和のカリスマギャル」が和歌山に…「egg」専属モデルの21歳
そんな令和ギャルが和歌山にもいると聞き、訪ねました。
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「あいめろでーす。お願いします」
【吉原功兼アナウンサー】
「関西テレビ吉原です。よろしくお願いします。華やかですね。取材が結構朝早くからですけど」
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「そうですね、3時間前に起きました。準備にめっちゃ時間がかかるので、朝5時起きです」
雑誌『egg』の専属モデルとして活躍する『あいめろ』こと、愛朱(あいしゅ)さん(21)
地元の和歌山市から、インスタグラムなどで情報を発信しています。
【吉原アナウンサー】「左ジーンズなの?」
【愛朱さん(21)】「そうジーンズで」
【吉原アナウンサー】「右は何これ?」
【愛朱さん(21)】「トゥルトゥル生地です」
【吉原アナウンサー】「トゥルトゥル生地?」
【愛朱さん(21)】
「あはは、ちょっと待って、恥ずかしい。これはヒョウ柄なんですけど、ベルトに巻いたりして、ポイントとしても使えるし」
【吉原アナウンサー】
「ヒョウ柄っていうと、大阪のおばちゃんみたいなイメージあるよね?」
【愛朱さん(21)】
「それは多分、古いです」
■人前に出るのが嫌いな小学生時代…「ギャルを好きになってから変わった」
――Q:ギャルになろうと思ったきっかけは?
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「昔の『egg』見ていたんですよ。ビビッときました。マジで。色んな雑誌見ていて、『egg』って雑誌だけは他の雑誌と違ってメイクがすごかったし、服装も個性があって、かわいい。そこに釘付けになりました。他と違うところが魅力でしたね」
――Q:ギャルになる前は?
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「人前に出るのがめちゃくちゃ嫌いで、小学校の日直が嫌で泣いたりしていたんですよ。それぐらい目立つのが好きじゃなかったし、恥ずかしい、嫌だったけど、ギャルを好きになってから、むしろ目立ちたいとか、変わりました。本当にギャルがなかったら今どうなっていたんだろうって。こんなにしゃべれてないです、絶対」
ギャルになって、見た目だけではなく、性格も変わったという愛朱さん。
しかし、中学生の時には、周りと違う派手な見た目が原因で、つらい思いをしたこともあったといいます。
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「自分専用のアンチアカウントみたいなのは6個ぐらいありました。誹謗中傷がすごかった。そんな誹謗中傷されて、ギャルやめるぐらいなら、最初からやってないし、何言われても突き通しました」
ギャルが珍しい令和の時代だからこそ、好きなことを追求する強い意志が必要なのかもしれません。
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「厳しいんですよ、ギャルに世間は。『見た目こんなんだからギャルって…』っていう決めつけが嫌で、変わろうと思いました。めちゃくちゃ人に優しくなりました。」
――Q:和歌山でギャルを頑張る理由は?
【「egg」専属モデル 愛朱さん(21)】
「地元が好きだから。和歌山でいろいろ叩かれても、ギャルでいられるから。譲りたくないです、誰にも。和歌山ギャル」
(カンテレ「報道ランナー」Hello!ニューノーマル よのなかラボ 5月27日放送)
■【取材後記】「強い信念をもって貫く強さ」…「令和ギャル」に教えてもらった生き方
38年間の人生、私はギャルを遠ざけて生きてきました。正直なところなんだか怖かったし、ギャルが私に浴びせる「本音」が怖かったのです。
そんなギャルの方と初めて向き合い、考え方に触れ、私自身、新たな気づきがたくさんありました。
彼女たちは、思っていたよりも素直で、まっすぐで、強いと感じたのです。
「ギャルに世間は冷たいんですよ」という愛朱さん。
思い返してみると、私は冷たい視線を投げかけていた1人だったのかもしれません。
平成のギャルブームが去った今、ギャルになりたい、という人は以前に比べて多くありません。
だからこそ、ギャルになる彼女たちには強い信念があったし、ギャルになる覚悟を感じます。社会で生きていくためには、ある程度「忖度」も必要だし、顔色をうかがいながら生きていく必要もあります。
と同時に、ギャルが大事にする精神、「強い信念をもって貫く強さ」も必要であると彼女たちに教えてもらいました。
(関西テレビ放送アナウンサー・吉原功兼)