「ニュースでさえ記憶にない人が入社してきている」福知山線脱線事故から16年…JR西日本 若手社員に教訓を受け継ぐ新たな取り組み 2021年04月21日
2005年に起きた福知山線脱線事故から、4月で16年を迎えます。
事故を起こしたJR西日本が、その教訓をどのように受け継いでいくのか、新たな試みが始まっています。
大阪環状線などを担当する運転士が所属するJR西日本の天王寺電車区。
4月、区長の清水敏生さん(57)は、リモートで他の部門の管理職社員と研修を行いました。
議題は、乗客106人と運転士が死亡した福知山線脱線事故の教訓をどのように若手社員に伝えていくかについてです。
【企画部門の管理職】
「当時に小学5、6年生でした。ニュースでさえ記憶にありません、そういう人たちが入社してきていることからすると、当然ながら、風化、表現としての風化が正しいかどうか別にして、我々との意識の大きな乖離があって当然」
【JR西日本近畿統括本部・天王寺電車区・清水敏生区長】
「1両目でけがをされた方の発言とか、そういったものを読み解いていけば、マイナスを受け止めて、プラスに転じていくような形になると思います」
4月の時点で、社員約2万6200人のうち、およそ56%が事故後の入社。
そのため、JR西日本は3月、社員に向けて、安全の実現に欠かせない8つの視点をまとめました。
事故の背景を示した上で、「人は誰でもミスをする可能性がある」ことを前提とすることや、事前にリスクを発見し、事故を防ぐことの大切さなど、忘れてはいけない教訓が書かれています。
一方で、趣旨が理解されないまま安全対策が実施されていることへの懸念も記されています。
【JR西日本近畿統括本部・天王寺電車区・清水敏生区長】
「(事故前は)無線機をとりながら走行できたんですけど、今は停車してからでないと無線機をとらない。事故前には許されていたことができなくなった、その変化点が見える人と当たり前の世界、この2つができています。事故後にたてられた対策の紐づきを継承できる1つの大きなポイントになったと思います」
(カンテレ「報道ランナー」4月21日放送)