1月、JR京都線で起きた大規模な立ち往生。かつて京都駅には雪の対策を行う独自の厳しい基準が存在していて、近畿で基準を統一した際、甘くなっていたことが分かりました。
2月20日、立ち往生が起きて以降、大阪で初めて開かれたJR西日本社長の会見は、謝罪から始まりました。
【JR西日本 長谷川一明社長】
「事前の備えが全くもって不十分であったことから、実際にトラブルが発生したことへの対応力も脆弱な状態になっておりました。社長である私の責任でございます」
1月24日、JR京都駅などで線路を切り替えるポイントが相次いで故障し、列車15本が立ち往生。約7000人が最長10時間閉じ込められました。ポイントの雪を解かす「融雪器」を設置する基準が積雪10センチで、積雪予測が基準に満たない8センチだったため、稼働させなかったことが分かっています。
しかし2月20日、京都駅などにはかつて、「気温5度以下・積雪6センチ」とする、より厳しい融雪器の設置基準があったことが明らかになりました。もしこの基準のままなら、列車立ち往生が多発した夜、融雪器は設置されていたことになります。2021年12月に近畿地区で基準を統一した際、「甘い数値」になっていたということです。
【JR西日本 長谷川一明社長】
「事態を深刻に捉えて前広に対処するのが危機管理の要諦でございますので、そこのところができていなかった」
JR西日本は再発防止策として、「気温0度以下かつ雪が見込まれるとき」に基準を改め、判断を駅長に委ねることにしています。
融雪機を設置する基準について、今回立ち往生が発生した2023年1月時点と、2021年12月まででは以下のような違いがありました。
・1月立ち往生発生時 近畿一円で統一された基準 予測される積雪10cm、気温の考慮なし
・2021年12月まで 京都駅などで独自基準 積雪6cm、気温5度以下
【関西テレビ 神崎博報道デスク】
「京都駅などで独自の現場の判断といいますか、駅ごとの判断があったにもかかわらず、甘めの近畿地区全部で統一したルール化、マニュアル化がされた。失敗をおそれる、硬直化した考え方があったのではないか。今回の立ち往生を受けて、厳しい基準を設けるとともに、駅ごとの判断も認めることになった。柔軟な対応がとれるようになって、改善されてほしい」
(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月20日放送)